2018年1月3日水曜日

ザ・船場な戦後ビル⑧ 大阪朝日生命館ビル


大阪朝日生命館ビル

新しい大動脈となった御堂筋と、
古くから主要な通りである
高麗橋筋が交わる
いわゆる角地ビル

オフィス・銀行が建ち並ぶ
イメージの強かった1960 年代、
地下鉄の淀屋橋駅と直結した立地。
御堂筋といえばホールと言われた
時代の象徴でもあります。
複合用途が人の流れができる
そんな時代をあらかじめ
予測していたかのよう。
今では1 階にカフェ…
そして御堂筋沿いには
珍しいスーパーマーケット
テナント として入っている。
建替えでテナントビルが
飽和状態になりつつあり、
これからは御堂筋に面する
タワーマンション
屹立するのではと…
そんな予感がします。
働く場所から住む場所に、
回帰するのやも知れません。
正面の赤いロゴには「生命舘
ちなみに舘というのは俗字で、
もともとは少し違うのは元々。
康煕字典」という
字体の規範を示すといわれる
字典で間違って記載されたため、
これを旧字とするように
なってしまったとか…

銀色のアルミの外壁は、
実は竣工当時は金色に加工された
アルマイトパネルだったそうです。
「内容においても外観においても、
 それは新鮮にして親近感の
 溢れたものであって欲しい。
 そして美しい大銀杏並木に
 ふさわしい表現が要求される。」
新緑の銀杏並木には、
きっと馴染んだのかも知れませぬ。
アルミサッシは実は…
車両タイプの角丸タイプのもの。
外壁全面をアルミのリブパネル、
当時 竹中工務店の設計部を
リードした 小川正 によるもの。 
車輌や航空機といった
工業デザインを先取りしています。

「空気調整の完備した
 近代建築における遮音と
 採光の条件による、
 軽快な室内環境を、
 確立しうる
 確信に基づくものであった。」
「この建築の合理性と機能性と 
 精度の高い工業製品の
 構成による表現は、
 社会的共感をえられるべき
 商業建築のイメー ジの実現であり、
 この建築に包含される
 事業の繁栄と直結する所以である。」

1960年10月号の『建築と社会』、
そんな風に紹介されているそうです

大阪朝日生命館ビル

竣工年:1期:1960(S35)、2期:1961(S36)
構造 :鉄骨鉄筋コンクリート造 
    地上9階 地下3階 塔屋3階
設計 :竹中工務店
施工 :竹中工務店
所在地:大阪市中央区高麗橋4-2-16