サッポロの旅 モエレ沼公園
















彫刻家イサム・ノグチが最晩年に手がけた
「モエレ沼公園」を満喫してきた。

彼のマスタープランの策定が1988年のこと。
2005年7月のオープンなので、
当然のことながら彼は完成を見ていない。


でも最終打ち合わせで、
モエレ沼公園と

大通公園のマントラの模型を見せながら、

「これで私がいなくなってもできますよ」と、

ノグ チが笑いながら言っていたそうだ。

自分の存命中に完成できない計画であることは
覚悟のことだったのであろう。



彼のサッポロへの訪問は芸術文化的事業に
力を入れていた札幌市からの依頼によるもの。

現地を訪問したが市が本命視していたのは
「札幌芸術の森」だったようだが、
当時「ゴミ捨て場」として姿を
さらしていたこの地に
あえて
関心を示したのだそうだ。




















 「ミュージックシェル」
    前面が直径約15mのステージ。
    パフォーマンスの舞台となる。
    建物の内部には出演者のための
    控室とトイレが組み込まれている。




「モエレ」って言葉は
「ゆった り流れる」を意味するアイヌ語。

沼は同市を流れる豊平川の河跡湖なんだそうだ。




















「全体をひとつの彫刻と
 みなした公園。
 子供が作品と遊べる場所に」
これがノグチの
デザインコンセプト。
カラフルな色合いの遊具が並ぶ
「サクラの森」は、






エンピツのような
LOFTの宣伝のような、
印象深いフォルムが満載。


























ただスベリ台はあまりにもデザインがシャープなのか、
立ち入り禁止の表示が目立っていたのが少し残念。
「スライドマウンテン」も一箇所しか滑れない。


















実はこれによく似たのが
サッポロの大通り公園にもある
「ブラック・スライド・マントラ」















黒御影石でできているそうです。
実物は時間の関係で残念ながら見れなかった。
この滑り台に黒花崗岩を選んだのは、
雪の白に映えるようにとの思いからだとか。




実は大阪にもイサム・ノグチの作品がある。
万博記念公園に残る噴水の一部
「月の世界」は彼の作品だ。















モエレ沼公園に戻る。。。。
とにかく広いのでレンタサイクルでも
かなりたっぷりと時間がかかる。


高さ30メートルの
「プレイマウンテン」
に続く石畳と
ピラミッドを連想させる南側の石組みは
すべて瀬戸内から運ばれた御影石。



















2300トンぐらいを運び込んだのだという。
ノグチさんの晩年の活動拠点が
香川県の牟礼町
2006年に高松市に編入合併になったが、
良質な花崗岩の産地で全国的に
「庵治石」の名で知られている。

1964年から25年の間
制作パートナーであった石彫家は、
財団法人 イサム・ノグチ日本財団理事長である
和泉正敏さんも香川県出身。

















実はノグチさんは
イタリア北部に位置する
「ピエトラサンタ」という土地にも
アトリエを持っていたそうで、
「ピエトラサンタ」も白大理石の有名な産地で、
世界中の石彫家が一度は行く場所。

「石」という素材に魅力を感じておられたことを
伝えるエピソードである。



海のない 札幌に美しい海辺を
イメージしてつくられたのが
「モエレビーチ」
サンゴで舗装されたビーチには、
真っ白なパ ラソルが
並べられるのだという。
オープンは
6月1日からということ。

深さは30cmほどなので
ピチャピチャって感じかな。

北海道での海水浴は、
泳ぐっていうよりもテントを張って、
海を眺めてってのが
「海水浴」なんだそうだ。





「水の彫刻」もあった。
最大噴上高は25mでモエレ山を手前に見ると
噴火しているように映るのかもしれない。
「海の噴水」ってネーミングがされている。
吹き上がると公園全体に新たな生命の息吹を与えるよう。

  










ビッグワン













アーチ噴射













フォッグ





公園のシンボルとなる
『ガラスのピラミッドHIDAMARI』は、
温室そのものだが夏の間は雪を利用した冷房が
パワーを発揮するそうだ。
公園敷地内の雪を貯蔵庫に蓄え、

ピラミッド内の冷房を
「熱交換冷水循環方式」でまかなう。

















冬場は札幌市内では大量の雪が
行き場を求めて右往左往するとか、
市内を流れる「豊平川」は雪捨場と化すそうだ。


このガラスのピラミッドだが6月5日(土)には、
「国の特別行事」に使用されるとあった。
2010年APEC貿易担当大臣会合の
ひとつがたぶん行われるのだろう・・・・


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