厄年と還暦

大厄、本厄といわれる四十二。
今年の虎次郎は後厄だ。


もともと厄年は7歳、13歳、
女子の19歳、男子の25歳、
女子の37歳、男子の42歳、
61歳、77歳、88歳。

これだけあったと言われる。
厄年を考え出したのは、
江戸時代に入って朝廷の保護を
受けることができなくなった陰陽師たち。

民間の易者となって村々をめぐり、
広まったと言われている。



江戸時代の頃の農村では、
結婚して子育てを終えて
一定の社会的な指導者になることがあった。
その年齢が男性なら42歳前後、
女性なら33歳以降がその年代にあたった。

次第に村の祭祀などで
42歳の男性と33歳の女性が
若水(わかみず)をくんだり、
供物をあげる役目を担うようになった。
氏神の神威により
不吉な厄をはらってもらおうという
願いもこめられていたという。


百姓一揆の首謀者もこの年齢が多いという
研究もあり、まさにムラでは「役年」だ。


ただ、高齢の61歳、77歳、88歳は、
厄を忘れて「還暦」「喜寿」「米寿」と、
民間では不吉な厄年の考えが忘れられて、
長寿の祝いだけが
クローズアップされたのだろう。


虎次郎の学年は「丙午」である。
そんな迷信を信じる世代はおそらく
これが最後だといわれていたが、
先行きのみえない社会不安が漂う。

還暦が「祝い」であり続けることを
   願わずにいられない。


   

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