2017年11月14日火曜日

イケフェス大阪2017 浪花組本社


去年のイケフェスのころに、
紹介した浪花組本社ビル
ガイドツアーは13時~…
やはり雨のため行列なく、
見せて頂くことに。
「足元わるいところ
 ホンマありがたいことですわ」と、
法被姿のお兄さんに歓待されました。
株式会社 浪速組は、
村野藤吾の左官工事
数多く手がけました。

三代社長 中川貢さんは、
施主として村野の7つの建築、
そして邸宅を依頼しました。

社長室にあった
村野藤吾さんの新聞記事。

大理石張りのエレベーター廻り





1階のメインカウンターは、
下部にもアールが付いています。

最上部のベランダ柵。



最上階にはベニヤ板で
補強されていました。
というのも阪神大震災で、
少しクラックが生じたそうです。
村野事務所に了解をとって、
このように設えられました。

柱にも面取り

とにかく村野さんは、
角を落とすということに、
心血が注がれたそうです。
それに応えた左官士の
仕事がスゴいです。

村野さんの手摺りの、
持ち心地さを感じながら、
階下へ。



4階応接室。


奥に見える電話台
ビル竣工に合わせて村野さんが、
デザインした1964年製。

応接セットも村野デザイン。

引き出し家具の脚も
下に行くに連れて細く。


施主 中川貢さんの好みを反映した、
重厚な椅子は威厳を保ちつつ、
各部には丸みを帯びた仕上がり。








こちらの脇机(飾棚)は、
直線的な印象は強いのだけれども、
天板の外周や裏側、
どの部分にも角はきっちりと面取り。
手で触れた時に角張りを
感じさせない…
実際に触らせてもらった(・ω・)v

こちら立入禁止の張り紙があるが…


こちらも村野デザインの
4階理事長室前室の受付机
勾玉のような曲線を描く天板、
下へ行くほどすぼまっています。


実際に置かれていたら
こんな感じとか。

ちがうバリエーションも
ありました。





浪速組さんは、
もともと火消しだったと。

4階会議室の椅子は、
中川悠基氏が設計を依頼した
喫茶プランタン」から、
持ち込んだものです。

3階事務所

ここのカウンターにもアール



事務用スチール机も
きっちり村野ワークです。



地階へ…

1階から地階へと続く
アルミの手摺りは一枚もの。

降りると…黒い網


これは心斎橋筋にあった
心斎橋プランタン階段室
籐細工を持ってきたもの。

椅子もオリジナル

5階にもプランタンからの
籐椅子がありました。

こちら衝立


京都工芸繊維大学
美術工芸資料館に残されたもの。


別デザインの衝立

※「心斎橋プランタン」は
1956年に竣工されたもので、
数ある村野建築の中でも
名作として語り継がれるもの。
吹抜けに面した手摺や
階段に籐が巻かれて、
鉄の強さや冷たさを
やわらげていたようです。

※「戎橋プランタン」1965竣工

※「喫茶プランタン」1947年竣工

※喫茶プランタン 卓子

※喫茶プランタン 卓子

地階には金庫室がありました。

というのも浪速組さんは、
貸金庫業も営んでおられました。
頑丈な村野ワークのビルに
守らていました。





恒例の左官体験コーナー。





毎回イケフェスには全館を社員で、
大掃除され迎えられるとのこと。
受け継ぐ仕事と建築への誇り、
その笑顔のもとに感じられました。

「浪速組本社ビル」
竣工年:1964年(昭和39)
設 計:村野藤吾
構 造:鉄筋鉄骨コンクリート造
    地上5階、地下1階、塔屋付
所在地:大阪市中央区東心斎橋2-3-27

イケフェス2017プログラム
ガイドツアー
日時=10/29(日)13時~17時
定員=なし 参加費=無料
※10名程度集まり次第、随時案内。

左官体験
日時=10/29(日)13時~17時
定員=なし 参加費=無料
※随時体験可能

※このブログは特別展図録を参考にしました。
『特別展 村野藤吾 やわらかな建築とインテリア』
 大阪歴史博物館, 2014年