曾我蕭白「鷹図押貼絵屏風」を再び

こないだから探していた
曾我蕭白の「鷹図押貼絵屏風」。
いろいろ探していたけど...
図版をみつけました。
鷹はタカである故の悩みを持つ、
内面的なものをも表現したようにも思う。
六曲一双の屏風の左隻の荒々しさ。
まさに喰うもの喰われるもの...
弱肉強食というものを超えた、
生きとし生けるものの宿命。
まさに生物はどんな形であれ、
何かを食して生かされている。
そして消えていく運命であると...
一見すると弱き小さきものが、
不利とも思えるのだが...
そのことが利となって生き続けられる、
理に叶うというのは
そういう事なのかもしれません。 
そして昼と夜...
すべての時を支配することは
決してあり得ないのだと。
蕭白が鷹の絵を得意としたのは、
曾我派の末裔であることを標榜するもの。
鷹図の名人であった中国の蕭照・蕭瀾より
画号をつけたということにも因むのである。
左隻の氷結した水面に映る姿。
この屏風は奇人と評された蕭白自身の
写し鏡だったのかもしれません。

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