西宮をあるく⑧ 日本盛さんの蔵開き

西宮の蔵開2015
西宮をあるいた日は
日本盛」さんの蔵開きの日。

新酒蔵開き」は
西宮市の日本酒振興事業一環、
市内にある6社の蔵元さん
寶娘・白鷹・白鹿
徳若・日本盛・大関が
日を分けて行われるもの。
行き当たりばったりの虎次郎だから…
「西宮をあるく」の後半戦に偶然出くわした、
ってことだから生原酒の優先販売とか、
酒蔵見学には間に合いませんでした(TдT)
ただ珍しい 
菰巻き実演」を間近に(・ω・)v
お祝いの席では目にする「菰樽」。
もともとは「樽廻船」と言われる
酒樽専用の船に積み込まれる際に、
樽と樽がぶつかっても割れないようにと、
緩衝のために巻かれたのが始まりだそうです。
それぞれの銘柄を記したものを。 
杉樽を包む菰は藁を織って作られています。
こちらのは二斗樽ですが、
さらに大きい四斗樽になると背の高い稲、
「山田錦」の藁が使われます。
百姓昭明(ヒャクセイ)
 協和萬邦(キョウワバンポウ)」は、
『書経』にある伝説の王、
(ギョウ)を讃えた文です。
昭和の元号はここから採られたものです。
「九族既睦 平章百姓
 百姓昭明 協和萬邦
 黎民於變時雍」

「多くの人達が、仲良くして、
 それぞれの分を弁
(わきま)え、
 人々が、それぞれ徳を明らかにすれば、
 世界の共存繁栄がはかられ、
 国民は大いに栄え、

 また和合したのである。」
意味するところはこんな感じでしょうか…

現在は印刷されているものが使われていますが、
色ごとに型をつくった印が押されて、
細部は手書きで仕上げられていたそうです。
荷師(にし)と呼ばれる方が仕上げると、
二斗樽でほぼ10分ほどで出来上がりますが…
菰に縄を通すのは「針」。
荷師の人それぞれの曲がり方があって、
日本盛さんの持つのは先代から引き継いで、
自分にあった形に修正したものだそうです。
 口かがり縄で上の部分が編み込まれると、
お目出度い亀甲に…
そして赤い封印は鶴を表わすそうです。

縄が外れないように固定しながらの作業は、
かなりの熟練の業なればこそ。
ただ、各酒蔵ともに菰樽づくりの荷師さんは、
一人か二人なんだそうです。
日本盛さんでは唯一の荷師。
日本盛の菰樽は
すべてこの方の手によるものなのです。
 結び目はすべて「男結び」という、
ほどけない結び方によって仕上げられています。
「大切な日」にもちいられる菰樽。
そこには熟練の人の思いが
こもっている」のです。

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