ハマの洋館めぐり インド水塔

ハマの洋館めぐり...久々にあっぷします。
“洋館”といっていいのか分かんないけど、
建てられたのは1939年(昭和14)、
在日インド人協会から寄贈されたこの塔。
山下公園の一角、大桟橋に近いから、
かえってあまり注目されない。

1923年(大正12年)に起きた関東大震災、
当時横浜に在住していたインド人116人が被災。
そのうち28人の人が命をおとしたのだという。
横浜市民は町の復興のなか、
被災したインド出身の人たちにも
救済の手を差し伸べたのだそうだ。
住む場所を失った方々を横浜に再び招くため、
住宅の手当てなどにも力を注いだのである。

塔と呼ぶにはいたって小ぶりなのだが、
丸いドーム状の屋根が目を引く
寺院建築の様式が取り入れられている。
インドのお国柄を示す美しいフォルム。

実は装飾細部はインド風でもあり、
イスラム風でもあり、
日本風なところもある不思議空間。
単なる水飲み場と言えばそうなのだが、
インド式の建造物は横浜では珍しい存在
震災で犠牲となった人への祈り、
そして、インドとヨコハマをつなぐ
歴史的なモニュメントなのである。
床のタイルも色あせていない。
中で見上げると天井部の装飾が大変素晴らしい、
色とりどりのタイルを使用したモザイク模様
ここかしこの装飾は歴史を知らずとも、
ぜひ足をとめてほしい逸品なのである。

「インド水塔」
建築年:1939年(昭和14)
構造:鉄筋コンクリート造り平屋
設計:鷲巣昌
所在地:横浜市中区山下町(山下公園内)
【横浜市認定歴史的建造物】

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