フジサンぬ (ゴゴウ) カチカチ山のルーツ


河口湖遊覧船のあとは
カチカチ山ロープウェイにて、
高いところから富士山を!!

ちょっと思い出してみましょう!
昔話「カチカチ山」手短にすると…

「つかまったタヌキ」

「おばあさんをころすタヌキ」

「かなしむおじいさん、
 それをなぐさめるウサギ」

「ウサギ、
 タヌキのせなかにひをつける」

「ウサギ、タヌキのやけどの
 あとにからしをぬる」

「どろぶねにのり、しずむタヌキ」
ざっとこんな感じでしたね。

ロープウェイは「富士山詣駕篭」。
富士山にお参りする時に
乗られていた駕篭がイメージで、
34年ぶりに2015年4月から新調。

行きはタヌキくんが担いでくれます。

ガラス張りで迫力のある
河口湖ビューが広がります。

河口湖大橋もキレイに(・ω・)v

山上にあがると「うさぎ神社」とか…

かわら投げ」とか…
楽しめる場所ズラリ。

昔話のワンシーンをバックに、
そんな富士山もまた一興です。
富士山の法被を着せてくれての
撮影サービスもありました!

山上駅より少し上に登ると、
また富士山の表情が変わります。

山道を行くと「小御嶽神社」祠あり。
説明板によると…
カチカチ山こと天上山は、その昔
嘯山
(うそぶきやま)と呼ばれていたとか。

とは…
口をすぼめて声を出す、
口笛を吹く、
うなる、ほえる なんて意味。
山の形と風のイタズラから
虎が嘯くような音がいつも聞こえ、
風道と恐れられていたそうです。

小説 カチカチ山」は、
太宰治の『お伽草紙』に出てくる
今で言うパロディ小説です。

タヌキを37歳の中年男性、
ウサギを16歳の処女の女性に
なぞらえています。

ウサギにどれだけ懲らしめても
ついて行くタヌキは、
ヒドいことをされても若い子に
ホイホイとついってしまうオジサン。

ウサギの残酷性は年頃の若い娘に
共通するというのが、
太宰の見立てでして…

カワイコちゃんたちへ
怒らないでくださいねm(__)m

今でいうストーカー話も、
清純オヤジの言い寄りに、
平気でむごい仕打ちをしてしまう
残酷性をリアルに表現しています。
ただ「婆汁」はサスガの太宰も
パロディにはできなかったとか…

お婆さんと仲の良かった兎、
それにしても仕返しが
あまりにも執拗すぎる。

背中の柴に火をつけ、
火傷の痕に辛子を塗り、
泥船に乗せて溺死…なんてのは、
あまりにねちっこい。

ちなみに狸を殺すべく、
魚を獲りにいこうと誘いだしたのが、
河口湖」って設定なのです。

昔話のパネルの最後に、
こうありました。
「それにしても昔話かちかちやま......
 ちょっと残酷な話ですよね。」


太宰のカチカチ山にこんなやりとり…

「それやその筈よ。
 ここは、パチパチのボウボウ山だもの。」
「嘘つけ。お前は、ついさつき、
 ここはカチカチ山だつて言つた癖に。」
「さうよ、同じ山でも、
 場所に依つて名前が違ふのよ。
 富士山の中腹にも小富士といふ山があるし、
 それから大室山だつて長尾山だつて、
 みんな富士山と続いてゐる山ぢやないの。
 知らなかつたの?」

最後にこう締めくくられます。
「女性にはすべて、
この無慈悲な兎が一匹住んでゐるし、
男性には、あの善良な狸が
いつも溺れかかつてあがいてゐる。」



太宰治の御伽草子は青空文庫で!!

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