七条通近代化を支えた建物たち


京都の金融街の活況はまずは三条通
その後烏丸通へ移ってイマに至るが…
京都駅に近い七条通にも、
戦前は小規模ではあるものの
軒を連ねさせていたそうです。
旧鴻池銀行 七条支店」だったのがココ。

摂津国川辺郡鴻池村で酒醸を始め、
酒販・海運・両替商などなど、
明治に入って銀行を設立するなど、
関西での一大財閥でした。

クラシックとモダンが
ミックスされたような、
不思議な雰囲気を放っています。



いまは、京都七条迎賓館
でもひとつ前は…
若林仏具製作所」という経歴。
その時は濃い灰色に塗られていたとか、
なんかオセロゲームのようです。

京都帝国大学の建築学科
第一回卒業生であり、
京都工芸繊維大学、
西日本工業大学の学長を務めた
大倉三郎さんの設計です。

「鴻池銀行 七条支店」
建築年:1928年(昭和3)
改修年:2014年
設計 :宗建築事務所 大倉三郎
改修設計:芦澤竜一
構造 :鉄筋コンクリート2階建
【国登録有形文化財】

ドリス式のオーダーで圧倒するのは、
いまはレストランとかお土産スペースに
なっている「きょうと和み館」。
重厚な石造りに見えるのですが、
正面側はモルタル仕上げなのです。

側面の石造りもみどころ満載です。

もとは…
たばこ王と言われた村井吉兵衛が興した
村井銀行の七条支店だったそうです。
最近までケーキとパスタの店
セカンドハウス西洞院店」、
京都の人はセカンドハウスと言えば、
きっと思い出があると思います。

修学旅行生や外国人客のみなさんが、
お昼時に観光バスから降り立って、
ランチを食べてはりました。

設計は村井吉兵衛さんの建物を
数多く手掛けた吉武長一さん。
ペンシルバニアで建築を
学んだ逸材が、
手腕を発揮した作品です。

「村井銀行 七条支店」
→セカンドハウス西洞院店→きょうと和み館
建築年:1914(大正3)年
設計 : 吉武長一
構造 :正面外壁モルタル塗り、
    側面外壁石張りのレンガ造り2階建て

最後は陸屋根の商店兼住宅建築です。
昭和初期からあるという精肉店さん
「村瀬本店」。

突き出し部の屋根が
2階部分のテラスのよう、
丸い飾り壺があるのが粋です。

1階突き出し部分は
煉瓦造りになっていて、
軒下の飾りもしっかりしています。





「岩井邸・村瀬肉店」
→村瀬本店
施工年:昭和初期 設計 : 不明
構造 :木造2階建て 磁器タイル張り

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