仙厓『指月布袋画賛』

『指月布袋画賛』
  (しげつほていがさん)





















仙厓 義梵
(せんがい ぎぼん)という人が描いた
        ユーモラスな墨画。
この絵は東京・丸の内にある
「出光美術館」代表作でもある。

出光興産の創業者である出光 佐三 さんが19歳の時、
郷里福岡でたまたまこの『指月布袋画賛』に出会い、
  父親 に頼んでこの作品を購入したという。
「出光美術館」はこの1枚の絵からスタートしたという。


月を指差す布袋の姿がマンガたっちで可愛い。
美術史的に言うと「戯画の系譜」というのだが。。
ぽってりと太った布袋様と
ひょいとお尻を突き出した子ども。
まさにご機嫌さんだ。一杯ひっかけているのか??

画賛といわれる添えられた筆は、
『お月様 幾つ 十三、七つ』と。
指差す先には月はないが、、
布袋様遠くを指すところに月があるのだ。

仙厓 義梵は、仙厓さん」と親しまれている
  臨済宗古月派の僧。
禅の境地をわかりやすく説き示す軽妙洒脱!!
諸国行脚ののち39歳の時、博多に下り、
 翌年 聖福寺の住持となった。

本格的に絵を描き始めたのは、60歳を過ぎてから。
「世の中の絵には決まりがあるが、
   私の絵に決まりはない」と豪語したとか。
機知とユーモアに富み、分け隔てをしなかったという人柄は、
  
博多の仙厓さん」と慕われた。

頼まれれば誰にでも絵を描き、
まさにパワーメーカー

生涯で二千点にのぼる作品を残したという。



←2007/01/08
「龍虎画賛」 仙厓 筆
 <出光美術館名品展より>



            
            

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