iza KAMAKURA vol.5 鎌倉由比ヶ浜あたりの別邸


鎌倉が別荘地として脚光を浴びたのは、
1887年(明治20)7月11日の
鎌倉ー国府津間の東海道線開通
実は鎌倉別荘のオーナーには、
薩摩出身者が多いのです。
その理由は始祖 忠久の出生
忠久は頼朝の落し子と言われる。
近衛家に拾われその後、
薩摩・大熊・日向の守護に…
島津家30代島津忠重と叔父 忠済
別邸が由比ヶ浜ありました。

"旧福島浪蔵別邸"は、
1908年 (明治 41) 竣工。
福島浪蔵という人は、
横浜・戸塚出身の株仲買人。
福島没後の1926年に桑名の山林王
二代 諸戸清六が購入、
諸戸家鎌倉別邸に。

バルコニーを1 階はドリス式
2 階はイオニア式の円柱が支え、
その柱身や円柱が支えています。

メダリオン飾りが付けられていて、
ドア枠と窓枠の装飾など
見どころ満載です。
関東大震災にも建物は健在で、
震災時の救療本部としても
用いられていたことがあるそうです。

創建当時は洋館の北側・東北側に
和風棟も建てられ庭園も設けられ、
広大な敷地を擁していたそうです。

戦時中は一部接収を受けますが、
その後も諸戸邸だったそうです。
1976年に諸戸産業の所有となり、
1980年に鎌倉市に寄贈。
鎌倉市長谷子ども会館洋館として、
活用されていたが老朽化のため、
閉鎖されたのだそうです。

天然スレート鱗形葺き寄棟造。

意匠の華麗さを放つバルコニー
内部もクラシックな意匠とか…
天井コーニスのの漆喰装飾
室ごとに文様を変える
フローリングなどがあるという…
横浜ならカフェとして存在できたかも。

ちなみに桑名の六華苑は、
二代目 諸戸清六の邸宅です。

足場とブルーシートに包まれているのは
"加賀谷邸"
鎌倉最古の神社と言われる
甘縄神明宮のすぐ近く…



背景の山々とあいまって
魅力的な景観を創り出しているのは、
鎌倉別邸の要素をもつもの。
ひときわ目を引く背の高い洋館、
そして趣のある和風の主屋。
かつてはランドマークだったようです。

スレート葺き寄棟で北側は切妻に、
ドイツ下見板張りの意匠は健在かと。

こちらは海側にある"かいひん荘鎌倉"。
1924年に富士製紙社長の
村田一郎別邸として建てられたもの。
戦後間もない1952年に、
鎌倉のリゾートホテルとして開業。

2室からなる大きな洋館部は、
独立した洋館のような印象。
出窓(ベイウィンドー)の多いものの、
全体的なバランスが図られています。

創建当時はより大きく改装されていて、
現在は駅に近北側に玄関を設けています。

村田氏の住宅であった以降、
一時6世帯が入居する共同住宅的な
使い方がされていたとも伝わります。

1952年には海浜荘となり…

1974年ごろと1982年に増改築、
1982年にほぼ現在の旅館の姿に
整えられてことを契機に、
"かいひん荘鎌倉"に改められたとか。




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