神のつかわしめ たち④ 子〜敷津松之宮


木津の大黒さんの横断幕、
そして大国主神社の石柱、
実は大国主神社は、
敷津松之宮の摂社。
わかりやすく言うと、
メーンは敷津松之宮で、
大国主神社はサブにあたる

お社なのです。

地名も駅名も逆転現象…
敷津ではなく大国町
地域にとっての
重要な社として、
大国町の由来は
ここ大国主神社なのです。

氏神様と掲げられる
敷津松之宮を先参り、
そして社殿前の
大黒天の石像に願掛け。

大黒さまの額にオデコを当て
次に右手の小づちに触れる…
地元の人たちのお作法とか。

その後…大国主神社 本殿へ。

坐するのは「日出大国像」
(ひのでだいこくぞう)。
朝日を抱く代わりに、
小槌も袋も持たない、
独特のスタイルです。

絵馬には小槌がみえますが…

狛犬ではなく狛鼠
なぜネズミが大黒様の
神使となったのか?
古代の中国に家鼠を
霊獣とする信仰があって、
家にねずみを描く
風習があるとか…
ネズミには災害を
予知する能力
があり、
火事や地震が起こる前に
集まって安全な場所へ
移動する習性がみられます。

《鼠大黒》白隠

図は鏡餅を前にして
大黒天が座禅を組む、
音曲に興じる七福神たち。
黒袈裟のネズミたちは神妙、
宴の準備をするネズミもいます。
毘沙門天の代りの鍾馗
鍾馗だけはむっつりと。

『古事記』にもネズミ
大国主命を救ったと…
素妻鳴尊が大国主命の
能力を試そうとして、
大国主命に広野に行かせ
野原の草に火を放った。
《大根鼠画賛》仙厓 画

大国主命は逃げ場を
失ってとまどったところを、
一匹の鼠が現われ、
「この下に穴がある」と…
穴の底に身を伏せて、
お蔭で助かったという。
命の恩人…いや命の恩ねずみ

ほど近くに…
商売繁盛笹もってこい の
今宮戎神社が鎮座します。

御祭神は天照皇大神、事代主命
素戔嗚尊、月讀尊、稚日女尊。
推古天皇の御代に聖徳太子が
四天王寺建立の際に、
西方の鎮護として祀られたと
伝えられています。

《大黒天 恵比寿》
 河鍋 暁斎 画


事代主命は大国主命の子として、
共に国造りを行った国津神。
いつも一緒にいることが多い。
いずれも「大阪七福神めぐり」
連なる神社なのですが、
地元の風習として根強く
続けられるのは「両社参り」

「えびす・だいこく
 両社詣って本参り」

語り継がれていて、
地域での大切な信仰です。

「大国主神社」が先で、
「今宮戎」が後が
良いとされいるのは、
大黒天はえびす様の父
当たるとされているから。

ただ…今宮戎にも
大国社がありますし。

敷津松之宮の御祭神にも、
事代主神が祀られています。
「陋巷を 好ませたまひ 本戎」
今宮戎の阿波野青畝の句碑
陋巷(ろうこう)とは狭くて
古い町並みのこと。

高速道路や電車の高架で
隔てられていますが、
かつては海岸沿いにあり、
物資の集まりやすい土地柄、
四天王寺西門に浜の市
福徳を授ける神、
商業繁栄の神としても
信仰が厚くなりました。

もう一つの「大黒天」と
ネズミとの関わり…
大黒さま の黒は
陰陽五行で北を意味
し、
北方の神とされていて、
北は十二支では子に相当。
そのこともあって、
大黒天の神使は
ネズミ鼠=子だとか…

《子の大黒》仙厓 画

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