お伊勢お多賀の子でござる① 多賀大社と糸切餅


「お伊勢参らばお多賀へまいれ
 お伊勢お多賀の子でござる」

御祭神は
国産み神話で知られる
男神・伊邪那岐命
(いなざぎのみこと)と
女神・伊邪那美命
(いざなみのみこと)。

『古事記』によると、
二柱の大神は神代の昔に、
初めて夫婦の道を始められ…
天照大神をはじめとする
八百万の神々を
お産みになられたとか…

ちなみに千木は外削ぎ

外宮と同じなのは、
伊邪那岐命を主祭神と
されていることによります。

国産みの聖地は淡路島にある
おのころ島神社」でも
ありますが…
おなじく『古事記』に
「伊邪那岐大神は
 淡海の多賀に坐すなり」
とあり、
ここ多賀大社に
祀られるとされています。

もとい鳥居を経て、
架かる石の太鼓橋、
太閤秀吉寄進にちなみ
太閤橋」とも…

《多賀大社参詣曼荼羅図》
 多賀大社 所蔵


築造は江戸初期寛永15年の
大僧正 慈性が徳川幕府の
助成を受けて造営した

寛永年間の大造営によるもの。
こちらは今は
寄託されています。
曼荼羅に
描かれるのは木橋ですが、
坂のない平らな橋も
今は石橋になっています。
曼荼羅に描かれる太閤橋、
秀吉が母・大政所の病気平癒を
大社に祈った際の寄進一万石で
造られたもの。
水を汲みに行く女性の姿、
綺麗な水を門前のお茶屋さんへ
運んでいるのでしょう。
「近江名所図会 巻4」
1814年(文化11)の多賀大社、
門前に茶屋が描かれます。
筵寿堂本舗さんへ…
名物は「糸切餅
刃物ではなく糸で切るので、
糸切餅というそうですが…
なぜ青赤青の三筋なのか?
蒙古来襲に遡ります…
台風によって国難を
免れたという神風。
蒙古の旗印に由来するとか…
三味線の糸で餅を切るのは
刃物を使わず悪霊を断ち切る
平和を意味しているとか。
もうひとつのお茶屋さんは、
大きな杓文字を掲げています。
境内に入ると…
絵馬掛けに杓子がずらり…
お多賀杓子」に因んで
杓子のカタチの絵馬。
杓子をつくった木の余りを
地に挿したのが成長した
飯盛木が今も伝わります。
曼荼羅にみえる木、
祠が見えます。
そこへ向かう
丑の刻参りの女性…
傍らの男性がどこか
恐れ慄いているようにも。

元正天皇の病気平癒祈願に、
大社神主が強飯を炊き、
杓子を献上したことに由来。
ところで…
カエルの子 オタマジャクシ、
姿が杓子に似ているから、
お多賀ジャクシ」…
なまったんだとさ。
知らんけど😁

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