京都モダン建築祭2022 京都国立近代美術館


平安神宮の大鳥居を映すのは、
京都国立近代美術館の北東角の
階段がある部分。
岡崎公園は明治に建てられた
平安神宮を軸にした左右対称で、
国立近代美術館の京都分館として、
設立されたのは1963年のこと。

オープン当初は京都市勧業館の別館
改修して美術館として開館しました。
現在のみやこメッセの前身にあたり、
室戸台風からの復興建築として
寄付が募られ"商品陳列所"として
建設されたものだったそうです。
京都産業振興のために工芸品を陳列…
美術館として運用をはじめると、
展示室の一部を仕切り収蔵庫にする
ほどに狭隘な状況が続いていたとか。

新館建設の機運も高まったとこで
1973年に設計を槇文彦氏に選定、
10年余りの計画期間を経て、
京都国立近代美術館が誕生しました。

名古屋大学豊田講堂をはじめ、
アメリカ・ニューヨークの
フォー・ワールド・
トレード・センター

建築界のノーベル賞といわれる
プリツカー賞受賞など、
世界的に評価の高い槇文彦さん。
30年近い時間をかけて
代官山のイメージをつくりかえた
"代官山ヒルサイドテラス"は、
街の姿を建築によって変えた…
プロジェクトへの評価が高いとか。

1986年に竣工してから30年余り、
300近い展覧会が行われてきました。
展覧会もさることながら、
建築そのものを目当てに訪れる
学生や建築家も少なくありません。

そもそも岡崎公園エリアの建築は、
大鳥居よりも高く建てることが
許されていない
のですが、
槇さんの設計の工夫により、
開放的空間が確保されています。
グレー質感の外見が、
一転して白い大理石の空間へ。

2階の面積を抑えることで、
高い天井のエントランスや
ロビーが設けられそして大階段。

石と硝子、鉄素材…
多様な材料で溢れています。

外壁を構成しているのは
ポルトガル産の花崗岩

館四隅のガラス張りの階段室、
北東角の階段室からが、
"京都モダン建築祭"の
特別公開への入り口なのです。
普段はバックヤード…
デザインはそこでも惜しみなく。
いざ2階へ

"2階渡り廊下"…
先にみえるのは事務室の扉、
特別公開はその手前まで。
Uターンして…そこで終了です。
"京都モダン建築祭"は
パスポート制でして、
WEB決済は1,500円、
現金だと当日2,000円。
このようなスポットな公開では、
「2千円?お金がいるの?」
って質問が多かったそうです。
解説はボランティアさんが
担っているので、
マニアックな見学者の質問には
応えられないということ…
リーダー格の人曰く、
「見学に来ている人の方が、
 知見を多く持ったおられるので、
 逆にボランティアガイドを
 お願いしたいくらい」と。
階段室には朱色やグレーに
彩られた柱があります…
コレクションギャラリー前には、
リボンのような紫色のベンチ。
家具デザイナー 藤江和子さんの
初期の作品でもあるのですが、
みどころは満載なのです。
ただこれらを
ガイドツアーするには、
美術館の展示との
兼ね合いもあるのでしょう。
悩ましいところです。
特別公開の"2階渡り廊下"、
その下はミュージアムショップ
よくみるスポットを
渡らせてもらった…ということ。
ここでランチを予定していました!
琵琶湖疏水に面した定番の
"café de 505" で生パスタ
こちらはノンパスでOKです。

★ 京都モダン建築祭 公開データ ★
京都国立近代美術館
公開日時 : 11月11日(金)-13日(日)
公開エリア: 2階渡り廊下
竣工年  : 1986(昭和61)
構造・規模: 鉄骨鉄筋コンクリート造
    (外壁GPC版/支持スタッド鉄骨造)
       地上4階、地下1階
設計   : 槇文彦
施工   : 竹中・松村・鴻池建設共同企業体
所在地  : 京都市左京区岡崎円勝寺町26-1

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