エリア仁徳vol.5 古墳の名付け

「仁徳陵」？「大山古墳」？？
世界遺産登録のニュースには、
ひとつの古墳にいろんな
名前が踊っていました。

そもそも古墳の名称には、
大まかに言うと…
被葬者の名前を付けたもの、
土地に関係して名付けたもの、
この2つに分けられます。

土地の名前には所有者名…
動物が付くことも。
そもそも地名には
動物が登場することが
多いのですよね。
「エリア仁徳」にも
いろんな動物が
潜んでいましたよ。

まずはキツネさん。
「狐山古墳」
かつては溝状の濠が
めぐっていたそうです。

いまは墳丘の裾が
削られ方墳状に…
もとは円墳です。

ただ墳丘は高く残存度は、
良の評価があります。

なぜか狐山なのに狸小路。

周囲の古墳の中で、
なぜかここだけ円墳。
まわりは帆立貝形なのに、
狸にホタテ貝柱が
食べられたのだろうか(笑)


「狐山古墳」
きつねやま こふん
(仁徳天皇陵陪塚は号)
・円墳
・直径30m、高さ約5m
・5世紀後半
・堺市堺区大仙中町


カメが付くのは
「銅亀山古墳」で、
古くは堂亀山とも
記されていたそうです。

2段築成がよく残っていて、
下段は南側が張り出し
長方形の方墳です。
エリア仁徳の中で、
唯一現存の方墳です。

昔は古墳の上に

高射砲の陣地があったらしく、
頂上はかなり荒れていて、
埋葬の跡もなくなったとか…




「銅亀山古墳」
どうがめやま こふん
(仁徳天皇陵陪塚に号)
・方墳
・一辺26m、高さ5.4m
・５世紀中頃
・堺市堺区大仙町
【世界文化遺産登録候補】


ドラゴンもおる…
「竜佐山古墳」
たつさやま こふん

帆立貝形とも
前方後円墳とも…
前方部が短いからね。

洒落たベンチもあって、
古墳らしくない…
フランス映画でも
撮影できそうな雰囲気。

調査では、
葺石と円筒埴輪があり、
幅10メートルｍの周濠が
めぐっていたとか、
前方部と濠は復元整備とか…

御陵道沿いには濠を跨ぐ、
低い歩道橋が架かる。
「たつさやま ほどうきょう」、
上から古墳を覗き込める。




「竜佐山古墳」
(仁徳天皇陵陪塚ろ号)
・帆立貝形古墳
・墳丘長61m、後円部径43m、
　前方部幅26m
・ 5世紀後半〜末
・堺市堺区大仙中町
【世界文化遺産登録候補】


「孫太夫山古墳」
まごだゆうやま こふん
人名が付いているこの古墳、
かつての所有者である
中筋村庄屋の南孫太夫さんに
由来しています。
中筋村とは鳳のあたり。

葺石と円筒埴輪があり、
幅10m程の周濠が
めぐっていたようですが、
現在は濠を復元して整備。



後円部を宮内庁、
前方部と周濠が
堺市という管理です。

出土した埴輪は、
ハケ目などの特徴が
仁徳陵の埴輪と
似ていることから、
同時期のものかと…
南側に築かれたという
ポジションも、5世紀中頃の
付属墳としての価値が高いのです。

「孫太夫古墳と南治好先生」
の碑文にはこうある
「名称は、江戸時代、
　大鳥郡中筋村 庄屋 南孫太夫氏の
　所有であったことに由来する。
　明治時代、大仙陵陪塚と改称。
　大仙陵の濠水は古くから
　農地用水として利用されてきた。

　代々庄屋として営んできた
　南家は陵池の修復に尽力した。
　１８世 南治好先生は、
　古墳の完全保存に尽力。
　1887年、天正以来の名家に生れた。
　２５歳で、

　泉北郡向井村々長に就任。
　1946年、

   第13代堺市長に就任。…」


「孫太夫山古墳」
(仁徳天皇陵陪塚い号)
・前方後円墳
・墳丘長65m、後円部径48m、
　前円部高約7.7m、前方部部幅約30m
・ 5世紀中頃
・堺区百舌鳥夕雲町2丁
【世界文化遺産登録候補】