京都の近代化遺産ゆ〜有鄰館


平安神宮の疎水に面し、

前から気になっていたフシギ館。
有鄰館」を…

屋上に朱塗りの八角堂が見え隠れ。

少し引くと軒下が見えた…
実は建物ではなく展示物。
北京の紫禁城の一角にあったもので、
道路拡幅工事で削り取られることに…
その話を聞いたオーナーが設計変更、
有鄰館の屋上に移転したという訳。
建物は中国の古材で造られ、
屋根は清朝乾隆年製の
黄釉瓦で葺かれている。
設計者はよく近代化遺産建築で、
おなじみの武田五一
武田の展示品応じたデザイン展開、
穏やかで簡素な外観も特徴的。
1926年(大正15)に建てられたもの、
最近補修がされたようです。
正式には藤井斉成会有鄰館第一館、
私設美術館としえは東京にある
大倉集古館に次いで古い。
建築物としては
私設美術館の現存最古。

ちなみに大倉集古館は、
現在改修中で2019年まで休館中。
有鄰館という名前は、
徳は孤ならず必ず鄰有り」と
中国との善隣と友好を願い
『論語』にその出典を求めます。

玄関の額縁廻りの
龍の装飾パネルなど、
バルコニーなど装飾パネルは
テラコッタが用いられています。


スチールサッシの建具に至るまで、
建設当初からのものが伝えられました。
内部の陳列室も古い形が、
ほぼそのまま残されているとか…

というのも…中観てません(T_T)
大正15年以来の「定日一般公開」、
1月、8月を除く
毎月第1、第3日曜日のみの
開館なのです…
滋賀県五個荘出身の実業家、
藤井善助(1873~1943)が、
収集した東洋美術のコレクションを
保存公開するため財団法人設立、
その陳列館として建てられたのが、
この第一館なのです。

バルコニーがある内側は
貴賓室とか…




「藤井斉成会 有鄰館(藤井有鄰館)」
建築年:1926年(大正15)
設計 :武田五一
所在地:京都市左京区岡崎円勝寺町44
【京都市登録有形文化財】

※ 藤井善助
実業家。滋賀県生。京都市第一商業学校卒業後、
織物・綿糸販売に従事。中ノ島製紙・江商・
島津製作所などの取締役を務める。
また、中国古美術骨董収集家としても知られ
藤井斉成会有鄰館を設立。衆議院議員。
昭和18年(1943)歿、71才。

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