2015年1月15日木曜日

「いつの日か俺を愛してくれるか?」

ずっと観たかった『美女と野獣
どんどん話題作が迫ってきていたので、
神戸まで足をのばして滑り込みセーフ。

18世紀に書かれたファンタジー
現代までベストセラーとして、
愛され続けてきた愛の物語であった。
マダム・ヴィルヌーヴ夫人の最初の本は
1740年に出版されたもの。
小間使いから聞いた話が出所と伝わる。

これをベースにして、
少し短くされているのが、
マダム・ルプランス・ド・ボーモンの本。
それが一般的に知られるストーリーで
1756年に出版されたもの。

映像化されたのは1946年のこと。
ディズニー・アニメでもなく、
ミュージカルより前の創られた。
第二次大戦中に原作に魅せられた
フランスの詩人である
ジャン・コクトー監督版。
リスペストした監督はいう
「コクトーの
 リメイクをするつもりはなかった。
 むしろ今まで描かれてこなかった
 おとぎ話を新しい形で
 映画化したいと思ったんだ」と。
『美女と野獣』(1946)
監督:ジャン・コクトー 主演:ジャン・マレー、ジョゼット・デイ 原作:ボーモン夫人

姉妹で一番美しいという
末娘が犠牲となって魔物のもとに
嫁ぐという設定はよく聞く物語。
最初はただ不気味で恐ろしかった野獣が、
こまやかな心遣いや優しさを注ぐ。
過去の因縁の罪滅ぼしなのか・・・
果たして無償の愛なのか・・・

野獣の容貌については、
ヴィルヌーヴ夫人版は
ゾウの鼻」との突飛な表現のみ…
ボーモン夫人版には具体的描写がない。
ディズニー版でお馴染みの風貌は、
角を生やしていたバッファローのよう。
今回はライオンのように見受けられる。
コクトー版にどちからというと近いらしい。

ちなみに野獣の皮はかぶるといった
特殊メイクでの撮影ではなかったという。
セット上では、衣装を着て
野獣とベルは一緒に演技をした。
いくつかの印が付けられたホッケーの
ヘルメットのようなものをかぶったという。
ただマスクはCGではなく
顔面だけのアフレコ撮影によるもので、
空想の世界に生きる野獣が甦ったのである。

野獣が大事に隠し持ち、
誰にも触らせなかった薔薇の花。
呪いが解けたあとにハッピー・エンドは、
ありがちな王国の再興ではなかった。

クリストフ・ガンズ 監督がいう。
「ヴィルヌーヴ夫人の原作は、
 ギリシャ神話やローマ神話、
 特に古代ローマの
 詩人オウィディウスによる
 “Metamorphoses(変身物語)”
 からヒントを得ている。
 僕は、
 このヴィルヌーヴ夫人版をベースにし、
 偉大な神々の要素を物語に反映させながら、
 人間と自然の力との
 つながりを描きたいと思った。
 現代では、
 日本の精霊信仰をルーツとする
 宮崎駿監督の作品に、
 これと似たテーマがみられるね」

でも…野獣と姿を変えた、
元王子が求めた愛はなんだったのか。
「本当に 本当に 君が大好きだったから

 もう恋なんてしないなんて 言わないよ 絶対」
槇原敬之『♫もう恋なんてしない』のラスト。
野獣はまちがいなく愛されること、
愛することに渇望していただろうと思う。
呪いと出会い恐怖と愛着
怒りと優しさ。そして過去と未来

でも遠回りの愛の形には
ささやかな
ハッピーエンドが待っていた。
ベルの「もう愛してる」

ちなみに・・・
大阪ステーションシティシネマなら…
【字幕】1月16日(金)まで【吹替】1月23日(金)まで