建築史探偵団・京都12 モダン校舎・明倫小学校②

校舎のモチーフは祇園祭の山鉾だといわれる。
正門の正面4階は、
寄棟の屋根に2本のポールが立つ。
ポールは真木(しんぎ)で、
半円アーチの入り口は車輪を連想させます。

1階の談話室は明倫小学校の展示スペース。
「情報コーナー」になっていて、
当時使われていた黒板や靴箱などに、
京都市内外の、ギャラリーや美術館などの
ポスターやチラシなどがおかれています。
天井梁や窓枠、そして腰壁などはそのまま?
そして老舗カフェ
前田珈琲の明倫店」もありました。
そしてギャラリースペースも...
階段柱と手摺などの装飾にも
贅のかぎりが尽くされています。
階段の踊り場の造りも
丁寧な仕事が施されています。
南館の最上階である4階には和室「明倫」。
もとは明倫小学校の「同窓会館」として
使用されていた部屋なのだです。
十五畳の和室になっていて、
「明倫茶会」や伝統芸能の
ワークショップなどに利用されています。
外観は当時の「現代建築」であるところに、
きっちりとした和室が作りこまれていました。
南館、北館、西館...
運動場が抱かれています。
土曜日でもあるので地元の人たちが
テニスに興じておられました!
西館は初期に建てられたもので、
2階部分は講堂になっているそうです。
屋根を支える意匠は見事。
垂木が支えるような外観を設えています。
西館がちょうど南館と北館をつなぐような、
ちょうど渡り廊下のような役割が持たされています。

1階へとつづく長いスロープ。
今やバリアフリー化が叫ばれていますが、
講堂までの行き来に
階段を避けた造りなのでしょう。
1階には階段柱。
最下階もゆるやかなスロープになっています。
子どもたちが使うための洗面も
大きな鏡に半円の窓...
外から見るとこんな感じです。
スロープに応じて縦長窓が
段違いになっているのがわかります。

時間がゆったりと流れていました。
こちらは向かいにある「旧 明倫幼稚園」。
現在は、明倫消防分団詰所、
明倫自治会館の建物となっています。

茶人 武野紹鴎の居宅跡もすぐ近くに...
近くの鉾町を支えるマンション。
いまなお祇園祭とともにある地域です。

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