2007年11月1日木曜日

天平の文房具

正倉院展鑑賞レポートです。
今年の正倉院は
 文房四宝のオンパレードでした。


筆は今使っているものより太いんだが、
写経のような細い字も、
太い筆の先っちょだけで書いたんだとか。

硯は今回出品の

『青斑石硯』

(せいはんせきのすずり)

正倉院宝物で伝存する
 唯一のものだという。
紫檀(したん)の木で
できた六角形の台の上に、
深い青色の青斑石が乗っており、
その上に
須恵器の硯が埋め込まれている。


木の部分の側面には、象牙などで細かい文様が表されている。
この硯は相当使い込んでいるらしく、
  硯の真ん中が黒ずんでいるそうです。

「筆」「硯」とくればあとは「墨」です。
松煙墨(しょうえんぼく)と呼ばれる、
マツを素材とした墨も並んでいました。


読売新聞の<連載> 「至宝を語る」のなかで、
茶道裏千家前家元の 千 玄室 さんがこんなことを
      書かれていました。

 道具というのはもともと「道(みち)の具」、
 仏様におささげするもの。使い捨てじゃありません。
 今では墨や硯を使う日本人も少なくなりました。
 お 茶でも、みんなペットボトルで飲んでいる。
 すべてが簡略化してしまっているのは残念なこと。
 こうした宝物からは、名もない人が一つ一つの道具に
 魂をこめて 作った様子が想像できる。
 今の私たちの暮らしにつながる基の姿が伝わってきます。
  (2007年10月30日 読売新聞HPより)