京の冬の旅2022 醍醐帝勅願 水火天満宮


"水火の争い"というのは、
水と火のように正反対…
西瓜は土で、南瓜は手で作れとも。
"たとえ火の中水の中"は両刀使い…
水難火除けのご利益の天満宮は、
醍醐天皇の勅願によって
尊意僧正によって建立されたのは、
923年(延長元)のことでした。

堀川通も昔はここまで…
ここより北は鞍馬街道でした。

『都名所図会』
堀川通をはさみ"興正寺"…

絵馬にある菅公の頭を撫でるのは、
宇多帝か醍醐帝のどちらなのか
醍醐天皇を"東宮"
いわゆる後継に決めたとき、
相談したのは道真ただ一人だったと。
それほど信頼されていたようで、
「道真公は、朕の忠臣ではなく、
 新帝の功臣と言うべきだ」

とまで宇多天皇の記録に残ります。

いまの境内は公園の一角で、
手狭ですが神石があちこちに
大宰府で菅公が亡くなられたあと、
都では天変・雷火の災いが重なり、
怨霊の祟りと不安が高まりました。

延暦寺の法性坊 尊意僧正
勅命で宮中向かう途中、
鴨川が突如増水し町へと…
尊意は騒がずに数珠をひともみ、
神剣を天にかざすと、
水位が下り水面が真っ二つ…
水流の間に現れたのが"登天石"。
菅公の神霊が現れ昇天し雲中へ…

こちらは"出世石"大願成就、
世に出る神石とか…

「眼疾を煩う人、
 この清水の奇篤によって
 平癒した人多くあり」
と伝わる
都名水のの一つ"金龍水"。
渇れることなく濁ることなく

"玉子神石"道真の御愛石…
子宝、安産にご利益ありとか。

道真は三男ですが兄たちは夭逝、
父 是善が豊受大神宮に祈願…
その時の宮司が渡会春彦
渡会春彦は都に上り道真に仕え、
大宰府で看取ったのも度会春彦。
若い頃から白髪だったため、
"白太夫"の名があります。


玉と龍にまつわる社…

"秋葉社火之迦具土大神
言わずとしれた火の神様です。
日本最古の天満宮と各地にあり、
京都府園部町の"生身天満宮"も
そのひとつなのですが…
境内社の秋葉愛宕神社は、
全国の秋葉神社の総本宮
かつては生身天満宮の宮寺で、
聖天堂という仏堂だったとか。
おそらく水火天満宮にも、
宮寺が存在していたのでしょう。


祇園祭山鉾のひとつ
錦小路の霰天神山は永正年間、
付近に大火事があったとき…
時候はずれの霰がふって、
そのため大火事も消えたという。

不思議に思っていると、
霰に混じり一寸二分の菅神木像
屋根の上にあったという。
菅神が霰を降らせて火事を
止めて下さったものと崇めて、
霰天神として祀り、
火除けの天神として崇敬し、
町名も霰屋町といった…

束帯姿の菅神が白幣を持って現れ、
たちまち鎮火したという。
いまも火除のお守が出されます。
京都では愛宕神の次に、
火の神様としての天神信仰…

さりとて今日では京の人とて、
天神を火の神様と信じている人は
極く少なくなっているのです。



随身像の前には氏子の供え物、
不審庵殿、今日庵殿とありました…
茶の湯に水と火は必須ですから。

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