大津絵の伝承者たち① 柳宗悦


大津絵にハマって…
こんな本を買い求めました。
大津絵 日本民藝館蔵
民藝運動の祖であって
柳宗悦が蒐集した
コレクションがずらり。

《阿弥陀三尊来迎図》

大津絵の初期は仏画でした。
江戸庶民が、初めて
我が家の持仏にした、
仏さまや神さま達の絵。

《十三仏》

こちらは民間で多く
求められていた十三仏。
追善の法事に掲げる図。
上段に天蓋…
座像で似てるお姿、
仏面も同じ版木押。
不動、釈迦、文殊、
普賢、地蔵、弥勒、
観音、勢至、弥陀、
阿閦、大日、虚空蔵。
不動明王だけ分かれば、
十三体であれば
よかったのでしょう。


《赤面金剛図》

仏画で一番多く遺るのが、
猿田彦命につながる
庚申信仰の図像。
左右に二童子、猿と鶏、
時代とともに簡略化…
この図は夜叉を
略しています。

《勝軍地蔵》

馬を正面から描く
構図がなかな秀逸。
本来は愛宕権現、
地蔵菩薩が武装して
軍陣に現れるとの
思想にもとづくもの。
実は…この図像は
文献にも認められず
ただ一枚のみ…
軸装をみても、
頻繁に掛けられた
図だったことがわかります。

柳宗悦は次のように
述べています。
初期の大津絵は
信仰的需要」を
その始まりとしたと…

《女虚無僧》

《鬼の行水》

美術史家の辻惟雄さんは、
日本美術は遊戯性に溢れ、
人間のおごりや
愚かさに対する諷刺…
体を洗っても…
心を洗わぬ
人間への揶揄だと。


《狐と馬》

「乗るまじきものに
 乗るのは皆狐、
 落ちてこんくわい
 後悔をすな」
落ち着きのない様子を
戒めた歌が添えられる。
《天狗と牛若丸》

その後大津絵は、
世俗画で栄えました。
諷刺的なものから、
道訓的なものが加わり、
道歌が添えられるように
なりました。

《太夫》

「大津絵」は、
日本で生れた色々の
民画のうちの一つで、
しかも
最も優れた典型的な
民画の一例だと…

《五人男(雁金文七)》

「美術というよりも、
 むしろ工芸」

宗悦が評した大津絵。
その伝承者たちを
綴ります。

《住吉踊》

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