太子霊場めぐりvol.9 太子像のこと〜孝養像


奈良博の「聖徳太子と法隆寺」展
「大人の方もどうぞ!!」…
NHKのジュニアガイド
聖徳太子はかなりのイケメン。
手に持つのは笏ではなく柄香炉
この姿は父である用明天皇
病床に侍り日夜仏に祈願した姿。

モデルは法隆寺蔵の13世紀、
鎌倉期に描かれたもの。
角髪(みずら)を結い、
柄香炉を捧げ持ち、
袈裟をつける童子形。

太子信仰の興隆は平安後期、
裸形着装の特異な形式で造られた
"二歳像"だったのですが、
太子の偉業が物語化されるにつれ、
16才の肖像に位置づけられました。

《孝養太子像》道明寺蔵

孝養像(きょうようぞう)は、
多くが穏やかな表情なのですが、
こちらの太子像は大変厳しい表情
父のために真剣に祈願する太子の様、
鎌倉時代の写実的な彫刻表現の
伝統を受け継いでいます。
胎内に納入されていた『法華経』、
『勝鬘経』などの奥書から、
弘安9年(1286)であることが
知られているのです。

《孝養太子半跏像》
 四天王寺蔵
室町時代

片足を踏み下げた半跏像、
お顔が丸顔のかわいいお顔、
道明寺のものとは好対照です。

《聖徳太子十童子像》
(天台高僧像 十幅のうち)
 兵庫・一乗寺蔵


現存最古の孝養像といわれるもの、
中国、日本(最澄・円仁)の九人の
天台僧にに加わっているのですが、
左を踏み下げて坐しています。

《聖徳太子孝養像図》
 富山県・個人蔵


こちらは個人蔵ですが、
長柄の香炉を持ち、
少し右向きに立つ。
ふくよかで知的な顔だちは、
孝養図の系譜にあるもの。

半跏のスタイルは広隆寺にも…

《聖徳太子立像》
広島尾道市・浄土寺開山堂

1339年(暦応2年)

孝養像と称されるものにも、
南北朝時代になると、
摂政像の影響をうけた
孝養像の一変形が現れます。
柄香炉とともに笏…。

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