そんなバナナ!パイなぽぉ~!~驚異の超絶技巧①
あべのハルカス美術館でやってた
「驚異の超絶技巧!
明治工芸から現代アートへ」を
覗いて来ましたよん。
いつもは土日は18:00まで
なんですけど…
2014年の
「超絶技巧!明治工芸の粋」展を
きっかけに大注目の安藤緑山の
【牙彫】《パイナップル、バナナ》
パイナップルの
鋭く尖った剣先形の葉!
トゲトゲした表皮、
斜めにカットの切り口…
シュガースポットと呼ばれる
茶色い斑点があるから〜
まさに食べごろ剥いた皮の裏。
まさにこの彫りこそが、
緑山の腕の見せどころ、
ということなのです。
【牙彫】安藤緑山《玉蜀黍》
清水三年坂美術館 蔵
収穫されてから立つ時間、
皮の萎みがそれを伝える。
手で剥いたときにできる
ギザギザの間から、
美しく並んだ粒。
【牙彫】安藤緑山《柿》
小さめのコロンとした柿、
枝付きの柿…
同心円状に広がる黒いキズ。
柿は緑山得意の
モチーフだったそうです。
【牙彫】安藤緑山《干柿》
白い粉がびっしりで
とても甘そうな…
象牙の硬さを感じさせない、
籠にでも入ってれば、
きっと手が伸びる筈。
緑山による干柿、
伝わるのはこれが唯一とか。
【牙彫】安藤緑山《松茸、しめじ》
笠が開き縁が裂け始めたもの、
ささくれた軸、
でこぼこした石づき…
国内産だといくらする?
なんてのはゲスな想いか。
地味な色目の松茸のなかに、
彩りとしては「しめじ」が、
存在感を示しています。
【牙彫】安藤緑山《松竹梅》
清水三年坂美術館 蔵
小さな竹の子、梅の実の折枝、
そして松毬の吉祥題。
【牙彫】安藤緑山《兜虫と南瓜》
一片の南京のうえを、
一片の南京のうえを、
オスの兜虫が這う。
兜虫は金工だから、
おそらく専門の金工師に
別注したものでしょう。
【牙彫】安藤緑山《トマト》
清水三年坂美術館 蔵
ヘタのまわりには
放射状の深いシワ…
今は季節を問わずに
目にするトマトですが、
緑山がコレを作った頃、
江戸時代はもっぱら観賞用。
伝来は寛文年間で、
食用トマトの栽培は、
明治に入ってからなので、
とても貴重なものだったそうです。
【牙彫】安藤緑山《葡萄》
【牙彫】安藤緑山《胡瓜》
畑から採ってばかりの胡瓜、
表皮のイボ、細い蔓、
先端のしぼんだ花と、
そして葉の下で開いた花…
複雑な形状をわずかな接地面で
支えることに成功しています。
高い構造計算力と
それを立体化させる
再現力の超絶にビックリです。
驚異の超絶技巧レポ
続きます(・ω・)v