ゼロロクの尼崎⑨ 開明な艦船

航海に出ようとするような出で立ち。
旧開明小学校の校舎だった建物は、
いまは尼崎市役所開明庁舎として
使われています。
室戸台風の災害復興事業として
1937年(昭和12)に
開明尋常小学校校舎として、
建てられたものだそうです。
校庭を囲むようにしてL字型。
そして整然と並ぶ窓の上部には、
つながっている庇が取り付けられいて、
物差しで水平線をひいたような感じです。
南玄関にあたるとこのとの階段室が
外部に半円形に張り出していて、
煙突のように天に突き出した柱は、
艦船の艦橋のようにも映ります。
客船のような丸窓も
当時からのものだそうです。
1階の旧校長室には戦前に作られた
奉安庫」などが残っているそうです。
奉安庫に納められていたのは、
当時「御真影」と呼ばれていた
天皇皇后両陛下のお写真とともに
「教育勅語」の写しなどでした。
1937年(昭和12)竣工当時の写真
(尼崎市立地域研究史料館 蔵)

奉安庫や奉安殿の建設は
1935年以降全国的に実施されたそうで、
天皇の神格化が進んだ時期にあたります。
その多くは敗戦後に取り壊されたそうです。
外壁に半円が張り出した
円柱の最上部は時計台になっています。 

「開明尋常小学校校舎」
→尼崎市役所 開明庁舎
建築年:1937年(昭和12)
構造 :鉄筋コンクリート造 地上3階(塔屋付)
設計 :尼崎市営繕課
所在地:尼崎市開明町2-1-1

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