同志社の赤煉瓦たち③ 有終館  


同志社大学の今出川キャンパスの正門、
はじめに出迎えてくれるのが「良心の碑」。
「良心之全身ニ充満シタル

  丈夫ノ起リ来ラン事ヲ」

1940年11月28日に、
新島永眠五十周年を記念して建てられたもので、
新島襄が最晩年に励む東京から
同志社普通学校5年生の
横田安止に送った手紙の一節、
「益々良心之全身ニ充満シタル丈夫ノ
 起リ来ラン事ヲ望テ止マサルナリ」という
新島自筆の一部が、拡大され刻まれている。

実はこの碑はここをはじめ9箇所にある。
虎次郎の母校 同志社香里 にも。。。

同志社で最初の図書館として建てられた煉瓦建築。
当時は「書籍館」と呼ばれていた。
蔵書はまださほど多くなかったそうで、
二階の広い一室以外は教室に使われていた。

「大学にはよい教師とよい図書館が必要」だという
新島襄の願いに応えるかたちで、
アメリカン・ボードから寄付が寄せられ、
D.C.グリーンが設計を担当し、
宮大工の三上吉兵衛が施工した和洋合作。

昔からここには
新島襄の言葉が掲げられている。
愛ハ真理ノ基礎ナリ」。
「キリスト真理ノ証ヲ為シ
 真理ノ国ヲ世ニ起セリ」という説教は、
この言葉で締めくくられたという。
二階には総長室があり、
そこで襄も執務したと伝わる。
平面的には十字形をしているのだそうだ。

よく見ると黒煉瓦の横線を入れるなど
装飾性に富んだ造りになっている。

実は1928年11月23日の
出火で内部を焼失、
この日が昭和天皇即位式後の
大典行事中であったこともあり、
同志社理事者一同総辞職となったという。
極力元の姿を改変しないように修復されたが、
今出川川にあった玄関を東側に移し、
当初あった2本の煙突は撤去されている。

こちらは虎次郎がよく出入りしていた、
博物館課程室」があった半地下の部屋。
現在は使われていない様子だった。

「有終館」

書籍館→
建築年:1887年(明治20)
構造:煉瓦造り2階建(鉄筋コンクリート補強)
設計:D.C.グリーン  修復:武田五一
【国指定重要文化財】

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