静岡の旅 久能山東照宮をたずねる2


久能山東照宮をたずねる2回目は

いよいよ極彩色の国宝の社殿へ。
日光東照宮を始め全国多くの東照宮は、
この久能山東照宮が原型になっています。


こちらは「鼓楼」。
もともとは鐘を突く建物である「鐘楼」
として扱われていたのですが、
明治の神仏分離のときに
「鼓楼」に改められたとか。
太鼓はもともと江戸城にあったもので、
明治になってから奉納されて今に至ります。

もともと久能山のシンボルだった
五重塔」がこの地に聳えていたとか。
高さ30mを超えた優美な姿も残念なことに、
神仏分離令により明治6年に取払われたとか。

正倉院と同じ校倉造りの「神庫
日枝神社」の御祭神は
大山咋命
(おおやまくいのみこと)
もともとは薬師如来像を安置された「薬師堂」。
仏像を大正寺に遷され山中にあった
山王社の御神体が納められたと伝わっています。

なぜか??歴代の将軍の名が刻まれた
葵の紋がずらりと鎮座していました。

社殿の周囲は境界を守る彫刻と垣根
玉垣」がぐるりと建てられています。

自然の敷地との境界を区別するためのもので、
唐獅子のほか鳥類や動物たち。
そして想像上の動物も多くが彫刻されています。

虎とか...

うさピョンもおりました。

で...いよいよ国宝「社殿」へ



本殿と拝殿を石の間で接続した
「エ」の字型の平面を持つのが「権現造」。
ルーツは奈良時代の仏教寺院の様式とか。

主祭神は徳川家康だがその両脇には、
相殿として織田信長と豊臣秀吉の
二人が共に合祀されているのだそうです。

二棟の建物を前後に配するカタチが
神社に取り入れられて本殿と拝殿を
接続された複合社殿はココがルーツです。

拝殿の向拝部分...
黒漆で塗られた部材にきらびやかな
彫金や彫刻が眩しい限りです。

唐門」の彫刻もスゴかった・・・

ビックリするのはこの豪華な極彩色の彫刻が、
ほぼ間近で見れるってこと。

葵の紋の彫金も手が届くところに。


珍獣がクロスしているとこは
頭貫(かしらぬき)
京都中井家独自の構図と作風と伝わる。

拝殿正面の蟇股
(かえるまた)の彫物には
中国の故事がモチーフになっていて、
こちらは「司馬温公の瓶割」。
「司馬温公の瓶割」とは、
その時代古く大きな水瓶は高価なもので、
人の生きていくのに欠かせない水を
貯蔵することで貴重品だったそうです。
高価な水瓶を割ってでも友人を助けたという話。
これは「三賢人と瓢箪の水」という故事。
人生の象徴、神仙境の水の入った瓢箪を前に、
それぞれが感想を言っている彫り物。
実際的な孔子は何の味もないと言い、
釈迦は塩のように苦いと顔をしかめ、
老子は酒のように甘いと喜んだのだそうです。
老子の言葉に他の二人は
もう一度、
瓢箪の水を飲んでみたいと老子に頼む姿。
人生には二度と無い連続、
日々を大切にせよとの意。

これは「瓢箪から駒」。
あるはずのないことが起きる珍事のこと。
冗談で言ったことが本当になってしまう。
常に誠実に生きよという教えだそうです。

次回は廟所へと向かいます。

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