「若沖と江戸絵画」をたずねて6> 簗図屏風

◎ 「若沖と江戸絵画」をたずねて 6  

簗 図 屏 風 / 作者不詳
 やなずびょうぶ






左隻の屏風は、力強い川の流れが、
右隻になるとさらに流れが続いているように
 ダイナミックさが感じられます。

江戸初期に描かれたと言われている作品ですが、
 正確な年代の特定を難しくしていますし、
     作者は不詳です。

土佐派 なのか?? 狩野派 とも言い難い。。
 尾形 光琳 おがた こうりん に代表される
  琳派 のものとも言う人もいるようです。

絵巻でもそうですが、
劇的効果を狙い主人公を左から登場させるなどして、
流れを左から右へとすることがあります。


この屏風には、
さらに連続した画面があったのかもしれないのでは??

               という説さえあるようです。

虎次郎 の卒論テーマ 
 (大学はちなみに美術史が専門でした。。)は、

 「 信貴山縁起絵巻です。
その絵巻の「 延喜加持ノ巻 えんぎかじのまき」という巻に
 出てくる
剣鎧護法 けんがいごほう 童子は、
 信貴山より京都へ向かう姿で左から右へ現れる
 センセーショナルなシーンになっています。












「 信貴山縁起絵巻「 延喜加持ノ巻 」より


劇的なシーンでは右から左ではなく、
 逆転されることがあります。
簗図屏風も逆手に川が流れるので、
 力強い流れの印象を見せるのかも知れませんね。


右隻には竹簾(簀「す」)に落ち鮎が跳ねる様子
 絵が描かれているのが見えます。













9月頃には落ち鮎といって海に下るのを狙って、
 竹簾(すだれ・簀「す」)を
 川幅に立てかけ堰き止めて行う漁が今でも行われています。

梁 漁 やなりょう と呼ばれるこの漁法は、
 弥生時代頃から行われて
いたとか???

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