四寺廻廊と陸奥の祈り 寳珠山 立石寺


宝珠山立石寺(りっしゃくじ)といい
通称"山寺"と呼ばれています。

創建は860年(貞観2年)天台座主 第3世
慈覚大師 円仁によって建立されました。
青森県恐山の円通寺
岩手県は奥州市の黒石寺
山形市の柏山寺など…
いずれも円仁開祖のお寺です。

円仁の東北巡礼は戦乱に傷ついた
東北を鎮めるため布教に
心血を注いだと伝えられ、
なかでも山寺では
山岳宗教や修験道と結びつき、
円仁がもたらした天台宗の教え
根付いたのです。

慈覚大師は土地の主より
砂金千両・麻布三千反をもって、
周囲十里四方を買い上げ寺領とし、
堂塔三百余をもって布教に
勤めらたのですが、
最初に創られたのが"日枝神社"です。
近江国坂本の日吉大社より御分霊を勧請、
"山寺"そのものが比叡山延暦寺を
写した伽藍となっているのでして、

比叡山を知る者にとっては、
今回特に感じ入るところでした。

というのも…山寺は3回目
今回はガイドさんに
ご案内いただきました。
石塔婆を説明しておられる
地元ガイドの林さん。
中尊寺、毛越寺、瑞巌寺…
そして立石寺で"四寺廻廊"、

でも楽天戦観戦の3日間で、
すべてを回るのは日程的には強行軍。
土日はデーゲームなので、
立石寺はあきらめていたのですが、
ツレが早朝ガイドツアーを見つけ…

晴れて…
慈覚大師開創みちのく四大名刹
四寺廻廊満願となりました。
ガイドの方も野球観戦をしつつ、
3日間で満願とはと…ご熱心と。

仙台駅からは仙山線始発
山寺駅には7: 16着。


駅前には"山寺ホテル"

えんどう物産さんに集合!
もともとは 6:30のプランでしたが、
交渉して始発電車に間に合うよう
調整してもらいました。

いよいよスタートです!

日本一の芋煮会の大鍋
二代目 鍋太郎とか…
紅花を運んだ最上川の船頭が、
江戸時代に地元の里芋と、
帰り荷の棒鱈を川原で食べたことが
発祥と伝わるのが"芋煮"。

ここの景色がよいと…
立つ位置もガイドさんのオススメ。

"対面石"
この地を支配していた
狩人 磐司磐三郎と円仁
この大石の上で対面し、
仏道を広める根拠地を求めたとか。
山岳仏教の霊場を築きあげるため。
殺生をやめてほしいという…
磐司磐三郎は仏道に帰依、
立石寺開山に協力したと伝わります。

いよいよ登山口へ…

足元には1000余段の案内。

まずは"根本中堂"
これも延暦寺と同じ。
1356年(延文元)初代山形城主の
斯波兼頼が再建したもの、
ブナ材の建築物では日本最古
天台宗仏教道場の形式がよく残る。
伝教大師が比叡山に灯した灯を
立石寺に分けたものですが、
実は織田信長の焼き討ちのあと、
延暦寺が再建されたときには、
逆に立石寺から分けた"不滅の法灯"。

ただ延暦寺とことなるところは、
内陣に入ることができ、
なおかつ"不滅の法灯"を間近に
拝することができるということ、
下山後 御朱印をいただいたのち、
お参りさせていただき対面しました。

"日枝神社"にお参りし…

山形市で一番太いという大銀杏は、
慈覚大師円仁お手植えと伝えられ、
高浜虚子・年尾の親子句碑が立つ。

こちら"常行念佛堂"
ひたすら念仏を唱える事で
無我の境地に入り、
阿弥陀仏に会う事が出来るという、
"五台山念仏三昧法"の実践道場、
比叡山の常行三昧堂にならったもの。

山門前の鐘楼は"ゆく年くる年"で、
雪景色とともに…
年末の煤払いは山寺観光ガイドの
きざはし会 の皆さんで行われるとか。

山門には"開北霊窟"の扁額。
山門は鎌倉時代末期の建立、
立石寺も何度か火難に遭いましたが、
根本中堂山門だけは鎌倉期の
形で残されています。

急峻な石段が待ち受ける…
前回入山したのは2月…
雪が少ない年でしたが、
それでも雪国で凍てつく石段。
このあたりで10段ほど腰で…

早朝の新緑なかで思い出しました。

姥堂(うばどう)
奪衣婆の石像が祀られています。
ここから上が極楽という浄土口

こちらが三途の川とか…

百丈岩の岩肌に感じ入る…

四寸道を抜け

入定窟納経堂がみえる

1848年(嘉永元)再建の仁王門
運慶弟子作と伝わる仁王尊像が、
邪心をもつ人は登ってはいけないと、
睨みつけていました。

性相院には傳教大師 最澄のお姿。

いよいよ開山堂へ…

岩の上の赤い納経堂…
その下に864年(貞観6年)歿の
慈覚大師円仁が眠る入定窟
開山堂には大師尊像があり、
朝夕ともに食飯と香が供えられています。
五大堂の舞台へ…
五大明王に無事を感謝…
五大閣
ここでツアーのメイン、
山形ブランド米のおにぎりを!
"雪若丸"は、
「際立つ白さとつやのある
 外観が雪のように美しいこと」
「炊いてほれぼれ
 冷めてもおいしい」"つや姫"。
イベントスタッフの人に、
「どちらが美味しかったですか?」
「雪若丸」が人気でした。
そしてもうひとつの"ごちそう"

里山の絶景が眼下に広がります。

他のメンバーは
奥の院へ向かいましたが、
虎次郎はここで下山(T_T)
というのも前日のスタジアム
その後祝勝会で、久々の飲酒(-_-;)
やむなく…
"つや姫"の おにぎり、
半分残していて帰りの電車で、
いただきました。
時間が経つとまた違う美味しさ
こちら山形産の"さくらんぼ"…
えんどう物産前に出ていた
生産者さんのテントで買い求め。
帰途に付きました。


↓こちら
山寺早朝ハイキング&
ほかにもいろいろディープツアーがあるとか。

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