私市の森で秋をめでる


大阪市立大学理工学部附属植物園は、
1941年に「満蒙開拓団」として
移住する人たちの訓練施設として開設された
「大阪市興亜拓殖訓練道場」が前身。
戦後「大阪市立農事練習所」を経て、
1950年に大阪市立大学に移管され、
「理工学部附属植物園」になり現在に至ります。

里山を思わせる手入れされた林や、
日本各地にみられた樹林型が再現されています。

世界各地の樹木見本園などもあり、
広大な敷地で”プチ山歩き体験”も楽しめました。

カエデ山」にはイロハモミジ、
ハウチワカエデといった品種を中心に、
イタヤカエデ、チドリノキ、ハナノキなどの
野生種も急斜面で色づいていました。

モミジの葉の絨毯もこんな感じ。
おそらく京都の紅葉の名所は
人人人やったと思いますが、
ここではゆったりとした時間が流れていました。

ユリノキ
ユリノキの名前は、
花の形からチューリップツリーとも呼ばれます。
アメリカとに中国に1種づつしか残っていないとか。
日本では1200万年~2000万年前の地層に
化石が見つかっているそうです。
ユリノキが日本に入ってきたのは
1873年(明治6)のことで、
新宿御苑に植えられたのが
日本で最初のユリノキだとされています。

花の少ないこの時期ですので、
咲いていたのは【サザンカ】くらいでしたが、
園内には「櫻守」のモデルとして知られる
「桜博士」笹部新太郎氏による「サクラ山」。
紅梅、白梅、そして咲き分ける”源平”といった、
品種が集められた「梅園」などもあるとか、
春にも訪れなければなりませぬ。

ゾーンごとにちがった印象をみせます。
ここは「タケ・ササ園」。
マダケ属のタケが多く集められていました。

クロチク】黒竹
中国に分布するマダケの仲間。
中空になっている稈(かん)と枝、
そして根も徐々に黒くなるそうです。

オウゴンコウチク】黄金光竹
若い桿は黄緑色ですが、
まもなく黄金色に変わるそうです。

イイギリ】イイギリ科イイギリ属
高さは10mくらいになるそうです。
1センチくらいの果実は橙赤色に熟していました。
花は5月頃につくのだそうです。

メタセコイア
日本各地で数十万年前の地層から
化石として出土していたこれも「化石の木」。
同園の三木茂元園長が中国四川省の奥地で
初めてみつけて、新しい植物として発見。

1950年3月アメリカから日本に送られた
100本の小苗のなかの1本がこの地に
植栽されて今に至る。現在樹高30mを超える。

これは【パンパスグラス】です。
イネ科コルタデリア属で別名シロガネヨシ。
アルゼンチンからブラジル南部にかけて分布、
日本に入ってきたのは明治の中頃。
秋には淡いピンクになることもあるそうで、
切花やドライフラワーに用いられています。

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