長沢 盧雪 「虎図」

長沢 盧雪 「 虎図 」
  ながさわ ろせつ - とらず










南紀の町 「無量寺 むりょう じ というお寺に
日本で最も大きな の絵と言われる 襖絵 があります。

ちなみに 禅寺である 錦江山 きんこうざん 無量寺 は、
 中興の祖と呼ばれる 愚海 和尚 ぐかい おしょう により、
 江戸時代の中頃( 天明6年 = 1786年 ) に再建されたお寺です。

盧雪 を始め、与謝蕪村 よさ ぶぞん 伊藤 若沖 いとう じゃくちゅう などの
 天才たちが同時代に生きていた京の町で、
 君臨していたのは あの 円山 應擧 まるやま おうきょ でした。

この 「 虎図 」應擧 と親交あった 愚海 和尚 へ
 盧雪無量寺 までとどけの使いを出された時に、
 筆を揮 ふる ったものだそうです。

今まさに獲物に飛び掛ろうと力を蓄えています。
 でも、シッポや鋭い爪とは対照的に顔つきは猫そのもの。
 とても愛らしい姿を見せています。
伊藤 若沖 猛虎図もそうですが、
 実物を見ずに描いたからなのか?  はやっぱりネコなのか?

←くわしくは、
「若沖と江戸絵画」をたずねて1>猛虎図
    のブロクにて


盧雪 にはこんなエピソードがあります。
應擧 の弟子であった
盧雪 はめきめき腕をあげた頃、
持ち前のいたずら好き乗じて、
師匠 應擧 の描いた手本の絵に
直しを乞いたことがあったようです。

その後このことがばれて、
盧雪 は破門されるにいたります。







でも、奈良県立美術館の 「 応挙 と 芦雪 」展のポスターは
 師匠の 孔雀 の絵より 大きく 「虎図」 が踊っています。

ネコ虎の話に戻ります。
「虎図」 の裏側、
本堂への入口側の襖には、
「 薔薇図 」
と呼ばれる
  襖絵が描かれてるそうです。




その「 薔薇図 」の中に、
川の岸辺でのんびりと憩う2匹の 親猫 と、
水辺で魚を狙う 子猫 がいます。






実際に生きた虎を見たことはなかったとのことなので、
 「 薔薇図 」にある ネコ たちが トラ に変身したのかも・・

一説によると、盧雪 は片目が見えなかったそうです。
 虎次郎 も実は両目の視力が微妙に違うんですが、
 独眼だとさらに遠近の感覚に差が出るようです。

落款にもの魚の文字を刻み、
生涯使い続け盧雪 は、
魚眼でいいモノを描いたのかも??
彼のエピソードから そんな風に感じました。





応挙芦雪館 紹介のHPへ
  和歌山県串本町串本833
  ● 開館時間 9:30〜16:30 (入館は16:00まで)
  ● Tel:0735 - 62 - 6670
  ● アクセス きのくに線 「串本駅」 から徒歩10分

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