池田をあるく③ 雅俗山荘

“ミスター阪急”と言われた
小林一三さんの自邸だった
  「雅俗山荘」へ…
生活の場であり芸術のための空間が
自分のおウチで実現させちゃった空間。

2階外壁の
ハーフティンバー」がカッコイイ。
外壁に骨組みが露出しているのが
「ハーフティンバー」というく工法。
もとは材木不足だったヨーロッパが源流、
北米では広い空間を作り出すものとして発展。
外観も和風でもあり、洋風でもある。 
玄関をはいると重厚な雰囲気が漂う。
瓦葺きの切妻屋根…
実は日本家屋とは違って、
半円形のスペイン瓦が組違いになってる。
外壁は「リソイド」という調合左官材料とか…
スペイン瓦の屋根に淡黄色の塗り壁、
スパニッシュ様式」の典型的な面構え。
2階吹き抜けの客室は空間で、
階段をあがると部屋を一望できた。

2階には執務室。
宝塚歌劇の創設や
演劇・映画といった事業を
数々と軌道にのせた審美眼は、
2階にギャラリーを設けるなどして、
自分が楽しむだけでなく、
愛好者にも楽しんでもらおうとした
まさにサロンであった。
茶の湯についての造詣の深さは、
実業家の趣味の領域を遥かに超え…
庭園内には三つの茶室があるのだが、
茶室「即庵」は二方向に間をめぐらし、
椅子に腰掛けて喫茶するという大胆なもの。
60年以上も前にこんな斬新な茶の世界が、
生み出された事実は彼の先見性がみてとれる。
美しく手入れされた庭木たち。
上品なものと俗っぽいものを
雅俗」と言うのだが…
パブリックとプライベートが
同居しえた空間ということなのかも。
阪急の歴史をたどる展示もあった。
元々昭和初期に
京阪間を高速で結ぶ新線として、
京阪電気鉄道が設立した
子会社「新京阪鉄道によって
開業されたものが、
今の阪急京都本線ということ。
そして高校野球の発祥の地
豊中球場」のこと。
くまなく見まわったが…
阪急ブレーブス」の
展示は見当たらなかった。
おそらくオリックス・バファローズとの、
絡みによるものなのか???
歴史の一コマから
勇者”に逢うことができなかった。

「雅俗山荘」
建築年:1937年(昭和12)
改修年:1957年(昭和32)
設計 :小林利助
構造: 鉄筋コンクリート造2階建、瓦葺
【国登録有形文化財】

「けんざい206号」掲載の
私の建築探訪〜逸翁美術館」を参考にしました。
 取材:サンケイビルテクノ大阪営業部 濱田留美子さん

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