TARO100《森の神話》たち

岡本太郎という芸術家は、
誰もがお金を払わずに芸術に触れられる機会を
たくさん作りたいという思いが強かったようで、
とりわけ晩年は地方に広く根を張っていたようです。

東北の山あいに残る太郎さんの《森の神話》
「奥入瀬渓流ホテル」のロビーの奥にある
ラウンジに根づいている大作です。
窓一面に広がる奥入瀬も引っ括めての
TAROの森が息づいているのだそうです。















夜になると暖炉の明かりが「夜の森」を
彷彿とさせるのだといいます。

「優雅に激しく流れる渓流と、
 その流れにころころと流され転がる石ころ、
 巨大な樹木と目を光らせ疾風るけもの、
 鳥は飛び交い歌い交わす。
 下では茸もニコニコ笑い、
 てっぺんでは冠をつけた鳥の王様が優雅に舞い、
 そこでは人間や森の妖精も踊っている。」
TAROの「森の神話」がこの地に伝わっています。

もうひとつの暖炉が1996年制作の《河神》
















水の流れに踊るのが
7体のニンフたち、
奥入瀬渓流の水しぶきたちが
岩にあたって妖精になってウネってます。

これが LAST TARO(遺作)なんだそうです。

実はこの二つ暖炉は対極となってて、
《森の神話》は男性神で、
女性神をあらわすのが《河神》。


















もう一つホテルのなかにあるのが、
大宴会場にある緞帳《渓流賛歌》












ここのホテルは滞在型のリゾートホテルで、
奥入瀬渓谷をゆっくりと楽しむ常連たちが過ごします。
ただ冬期の12月から3月までは休館ということ。
いつかは作品をじかに観てみたいものです。


《森の神話》
 1990年 ブロンズ製
 高さ8.5メートル
・重さ5トン

《河神》
 1996年 
アルミ合金製
 高さ10メートル・重さ7トン
 









「奥入瀬渓流ホテル」
 青森県 十和田湖温泉郷
 JR東北本線八戸駅より車で1時間10分
 JR東北本線青森駅より車で1時間30分
 三沢空港より車で1時間20分

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