大大阪をあるく4 生駒ビルヂング
堺筋と平野町が交差する
角に立つ「生駒ビルヂング」。
やはり角地に立つと姿が映える。
1930年に 生駒時計店 として誕生。
平野町通りあたりは当時の繁華街で、
かなり人々の目を引いていたのだろう。
スクラッチタイル、出窓、花崗岩の彫刻など、
当時の流行をすべて取り入れているので、
見飽きることがない。
「スクラッチタイル」の表面の凹凸が、
陰影を見せていて光沢感を醸し出している。
外装材にスクラッチを入れた
煉瓦を用いた建物で有名なのが、
東京の「帝国ホテル旧本館」。
現在は明治村に移築されている。
実は「鷲」をモチーフにした装飾は、
設計当初は「ふくろう」だったらしいが、
イメージが暗いとオーナーの希望で
変更されたのだそうだ。
テラコッタの装飾の最上部には、
生駒時計店の " 生 " の字が見える。
「テラコッタ」とは、
粘土を焼いて作った素焼きの塑像や器、
建築装飾の材料としてよく用いられている。
「生駒ビルヂング」
「生駒時計店」
1930年(昭和5)、
改修2002年(平成14)
鉄筋コンクリート造5階建
地下1階
設計:宗建築事務所
改修:Y's建築設計室
【国登録有形文化財】