はるばる来たぜHAKODATE vol.7 函館の洋館~ 旧函館区公会堂


スカイブルーと黄色の派手な外壁、
函館元町の坂上で強烈なインパクトを放つ、
旧函館区公会堂

1908年の大火で以前の町会所が焼失、
当時函館を代表する豪商の相馬哲平
多額の寄付により建てられたもの。
竣工は1910年(明治43)のことで、
商工会議所も兼ねる施設でした。

左右対称形で左右に切妻破風飾、
屋根裏窓が設えられていますが、
桟瓦葺の木造となっています。

コリント様式の円柱で支えられた
バルコニーを持ち、
コロニアルスタイルの要素が
取り入れられています。

1階の球戯室と大食堂、
いくつかの寝室があります。

建設当時はビリヤード2台が置かれ、

現在はヒストリーテーブル



大食堂の天井は豪奢、
厨房設備がないので、
いまでいうデリバリーで
食事が持ち込まれていたそうです。

裏手には縁側があって、
太陽の光が入ると波打つ影…
古くから使われている
"手延べガラス"の仕業なのです。



こちらが寝室…
建設当時はホテルとしての
経営を考えて造られましたが、
計画通りにはいかなかったとか。

2階に上がると

1911年(明治44)8月に、
後の大正天皇となる
皇太子殿下の宿泊があり、
"御後架"と"御湯殿"。
急遽新設されたとか…
エゾマツやヒノキが用いられています。

2階には大広間に御座所など…
"大広間"は高さ約6m・130坪、
大正時代には函館市市制祝賀会、
1927年(昭和2)には、
小説家 芥川龍之介
里見弴 の講演会も行われました。

当時としては最新の技術だった
バレルヴォールド式という、
吊天井の技法を用いられていて、
柱が一本もないのです。
照明はレプリカですが、
漆喰天井の中心飾は明治時代のもの、
ベルフラワーやアカンサス、
六弁花、五弁花などのデザインです。



衣装のレンタルもあり、
"映え"ったショットを m(__)m

2階には"御召替室"

2階の暖炉にも煉瓦タイル
壁紙は外国製のものが
使われていました。


"バルコニー"はアカンサスで飾られた
柱頭飾が特徴的です。

バルコニーからは函館港や
横津連山が一望できました。



附属棟には洋風浴室、
当時としては珍しい猫足のバスタブ

屋根は湯気が集まり、
水滴が落ちにくいドーム型の天井
和風浴室も併設されていました。

外観はこんな感じでした。





※バレルヴォールド式とは?
 アーチに基礎を置くすべての建設と同様に、
 バレル・ヴォールドの下の壁には
 外に押し出す力が生成される。

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