日本人の嗜好をさぐる㉒ ひまわり
《 Sunflowers 》池田修三
夏といえば "ひまわり"
チャールズ1世が好んだ、
太陽の花は力のシンボル。
フランスのルイ13世は、
薬草園でヒマワリを栽培、
ルイ14世も愛好したと
伝えられています。
《十二ヶ月花鳥図貼付屏風》のうち
酒井抱一 1823年
スペインから17世紀に
伝播したヒマワリは、
たちまちにロシア、中国へ。
日本は江戸時代でしたが、
17世紀中に伝来します。
《ひまわり》1888年
フィンセント・ファン・ゴッホ
一番目に脳裏に浮かぶ
ヒマワリの絵は、
おそらくヴァン・ゴッホの
描いた12枚のひまわり。
ゴーギャンとともに
住んでいたころから、
南フランスのアルルの
ひまわりは7点に及びます。
《ひまわりを描くゴッホ》1888年
ポール・ゴーギャン
この作品はゴッホとゴーギャンの
訣別のきっかけとなったとも
言われいる一枚で。
この画を見たゴッホが狂気にかられ、
カミソリでゴーギャンを脅し、
その後 自分の耳を切り落とした…
ゴッホの絵の特徴を5つ、
「黄色・厚塗り・浮世絵・
渦やうねり・花」。
《アルル近くの小道》
フィンセント・ファン・ゴッホ
1888年 ポンメルン州立博物館蔵
なぜゴッホは黄色を
愛したのでしょうか?
一つは病気説で
視界が黄色がかって見える
「黄視症」だったという説。
たくさんの色を揃える
お金がなかったとも…
生前は一枚しか絵が
売れなかったとも。
「黄色が好きだった」
ってのがシンプルですね。
ゴーギャンとの共同生活、
「黄色い家」でした。
図解辞典である
『訓蒙図彙 (さんもうずい) 』に、
江戸期に渡来の足跡が残ります。
「丈菊、俗に言ふ天蓋花、
一名迎陽花」とあります。
《向日葵図》1847年
葛飾北斎
シンシナティ美術館が所蔵の、
北斎のヒマワリ。
黄色というよりも橙に近い。
《向日葵図》鈴木其一
畠山記念館所蔵
北は北海道から
南は鹿児島まで、
いわゆる"町の花"に
指定していることが多く、
栽培が奨励され、
油や化粧品の原料に…
《 Flower 》池田修三
向日葵という語源は、
太陽の移動につれて
花の向きが回ることからの
名であると言われていますが、
実際にはそれほど動かず、
成長が盛んな若い時期だけで、
花が咲くと動かなくなります。
葛飾北斎
シンシナティ美術館が所蔵の、
北斎のヒマワリ。
黄色というよりも橙に近い。
《向日葵図》鈴木其一
畠山記念館所蔵
北は北海道から
南は鹿児島まで、
いわゆる"町の花"に
指定していることが多く、
栽培が奨励され、
油や化粧品の原料に…
《 Flower 》池田修三
向日葵という語源は、
太陽の移動につれて
花の向きが回ることからの
名であると言われていますが、
実際にはそれほど動かず、
成長が盛んな若い時期だけで、
花が咲くと動かなくなります。
《動植綵絵 向日葵雄鶏図》
伊藤若冲
近頃ではひまわり畑に
迷路を作ったり…
休耕田に咲きそろうヒマワリ。
ようやく黄色の明るさを
楽しむようになってきました。
《Summer》池田修三
※ 池田修三とは?
1922年、秋田県にかほ市象潟町生まれ。木版画家。
1980年代に秋田相互銀行のカレンダーや通帳、
NTTや日本生命などの企業カレンダー、
テレホンカードなどに作品が採用され、
秋田県を中心に広くその名を知られるようになった。
2004年に82歳で死去するまで、
情緒あふれる子供たちの情景など、
センチメンタリズムを感じる作品を創り続けた。