ゼロロクの尼崎④ 尼崎紡績の発祥地へ

尼崎が工業都市として
発展する先駆けとなったのは、
1889年(明治22)年における設立された
尼崎紡績会社」のお蔭によるものです。
1916年(大正5)に
新工場の建設が開始され、
1918年「大日本紡績株式会社」に改称、
操業を開始しています。
有限責任尼崎紡績会社の
本社事務所であった建物は、
ユニチカ記念館」として公開。
ただ…開館は毎週水曜日ってことなので、
振替休日を水曜にあわせての訪問です。
小屋組み」とよばれる独特の形態。
開口部の上にある壁を支えるために、
くさび形のレンガがせり合う「せり持ち
とよばれる煉瓦積みにて組積してあり、
水たれ と 水がえしの付いた「窓台石」。
段ごとに小口面と長平面が交互に現れる
しっかりとした「イギリス積み」。
戦災にも阪神大震災にも耐えた堅牢さが、
いまに勇姿を伝えています。

上下開閉式の同型アーチ
連なっているのですが、
中世主義風」というのだとか…。
よくよく見ると、内部に合わせて
窓の間隔は自由に変えられています。
左右非対称になっていているけども、
アンバランスだと感じさせないのは、
使い勝手のよさに気を配りつつ、
デザイン性の高い仕上げれた技。
設計者は不詳なのですが、
日本人設計者だと伝わっています。

車寄せの部分は
後年に修復されたものだと思います。

「旧尼崎紡績本社事務所」
→ユニチカ記念館
建築年:1900年(明治33)
構造 :煉瓦造り2階建て
設計 :不詳
所在地:尼崎市東本町1-50
【兵庫県 景観形成重要建造物】

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