ゼロロクの尼崎② 尼女と尼警


大正2年(1913)に創立されたのが、
尼崎町立実科高等女学校」。
大正8年に尼崎市立高等女学校となり、
尼女(あまじょ)」として
親しまれてきた校舎。

いまは「尼崎市立文化財収蔵庫」として、
地域の歴史を伝える役目を担っています。

1928年、
尼崎市立高等学校に変わってからは、
市尼(いちあま)」となり…男女共学に。
現在は上ノ島に移転していますが、
いまなお尼崎市民に慕われる存在。

ロの字プランで建てられており、
東側が1933年、西側が1938年の完成。
大きく明るい窓を連ねているのは、
明るい健康的な建築…
尼女の明るさという伝統に沿ったもの。

玄関ポーチと飾り窓…
そして縦長窓がよす。

玄関は「ALWAYS三丁目の夕日」で、
森山未來さん演じる孝太郎が
凡天堂病院」から車に
乗り込むシーンを撮影されたところ。


玄関ホールでには、病院の看板と
ロケ小道具が並べられていました。

こちらは 小清水一揮 さん演じる
一平が高校でバンドを結成、
教室で公開練習を行うシーン…
その教室はこんな感じで
見ることができました。

尼女の前にあるのは
旧尼崎警察署」。
カフェなんかにしたら
きっと流行るんやないかと思ふ。

設計は兵庫県営繕課の 置塩章 さん。
あの芦屋のミミズク警察署を手がけた人。
装飾分解」というそうなんですが、
クラッシクな要素を限界まで削ぎ落とした
フォルムが秀逸であります。
縦ラインと窓の組み合わせや、
頂部のエンブレムもカッコイイ!

玄関脇の花鉢もおそらく当時のまま。
おそらく白い塗装は、
児童館時代に塗り替えられたものとか。

側壁面にもシンプルながらも、
装飾性が見られました。
内部の公開は不明なのですが、
主階段の高欄に鋳鉄製の
タツノオトシゴのような装飾
あったりするとか??
興味津々なのですが…。

尼崎市の城内地区出張所とありますが、
現在は空きビル状態なのだそうです。

阪神尼崎駅への道すがらにみつけた
うさぎちゃん(・ω・)v

今は営業していないのだが・・・
「うさぎはり」の看板が残っています。
うさぎはり とは
小児向けの鍼を意味するようです。
子どもが嫌がらずに来院できるように
との当時の院長の願いが込められています。

左側のうさぎは世にも珍しい
招きうさぎ」!!!
どこかに保存して置いたほうが
いいんじゃないかと思うのですが…

「尼崎市立高等女学校」
→尼崎市立文化財収蔵庫
建築年:東側 1933年(昭和8)
    西側 1938年(昭和13)
設計 :不詳
所在地:尼崎市南城内10-2

「旧 尼崎警察署」
→城内児童館→尼崎市城内出張所→武道場?
建築年:1926年(昭和2)
設計 :兵庫県営繕課 置塩章
所在地:尼崎市北城内48-4

装飾分解とは?
モダニズム建築の多くは、
建築要素を再構成することによって成立したとみられる。
単に装飾を省略するだけではモダニズム建築は成立しない。
クラッシク性を残しつつ空間的な合理性を、
どう折り合いをつけるかがカギになると言われる。

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