夏詣2025 川崎大師こと平間寺~京急 川崎大師駅

大本山 川崎大師 平間寺は、
京都東山七条の智積院を総本山。
成田山 新勝寺、
東京都八王子市の髙尾山 薬王院とともに、
真言宗智山派の大本山の寺院のひとつです。

平間兼乗が42歳厄年のとき、
夢まくらに高僧が立ち
「我むかし唐にありしころ、
我が像を刻み、
海上に放ちしことあり。
以来未だ有縁の人を得ず。
いま、汝速やかに網し、
これを供養し、
功徳を諸人に及ぼさば、
汝が災厄転じて福徳となり。
諸願もまた満足すべし」と告げたとか。

お告げに従い引き揚げたお像を
お祀りして供養を続けると、
兼乗は自身の厄が除かれたのだと。
尾張国を追われ諸国流浪の果てに
川崎にたどり着いたとか。
漁師として慎ましく生計をたてつつ、
深く仏法に帰依して
弘法大師を崇信していた人とか。

兼乗のキャラクター "ひらまくん"、
川崎大師公式キャラクターとして
2020年5月に誕生。
腰みのや魚籠、釣り竿を持つ姿は、
平間兼乗の姿をイメージ、
奈良の「せんとくん」の生みの親、
籔内佐斗司さんのデザイン。
大が四つの袖口の模様は、
"大師 だいし"を意味するそうです。

堂塔伽藍をかこう浄域結界の
総門である"大山門"は、
開創850年の1977年の建立。

四方には四天王像が奉安、
東方 持国天像。

西方に広目天像。

南方 増長天像

北方 多聞天像、
京都 東寺の国宝 四天王像を
模刻造立されたものです。

大本堂には御本尊である
厄除 弘法大師を中心に、
不動明王・愛染明王などの諸仏群。

大山門の右手にある 聖徳太子堂は、
1966年に奉納された
聖徳太子像が奉られています。

毎年2月22日の聖徳太子年祭には、
太子堂の前で見事な はしご乗りが
奉納されるそうです。

不動堂

武相不動尊霊場の一番札所、
「成田より 遷座まいりし 不動尊
大師とならぶ 法のよろこび」、
御詠歌にもあるように、
成田山 新勝寺より勧請されたもの。

八角五重塔は弘法大師1150年
御遠忌を記念し1984年 落慶、
真言の様式にかなう"八角"は、
最も円に近い建造物の形で、
包容力や完全性を示しています。

"しょうづかの婆さん”
人は死後、三途の川を渡るという。
その川の 奪衣婆(だついば)、
すなわち"葬頭河の婆" そうづか が
訛って しょづか と
呼ぶようになったそうです。
昔から、歯の痛みをいやし、
容貌を美しくすると信じられた。

西解脱門

至真門
いすれもコンクリ門なのです。
信徒会館の南玄関に通じ、
薬師殿への入り口として位置。

こちら"薬師殿"は大本堂も手がけた
大岡實建築研究所が設計を
になったのですが、
何か変わった建築をとの依頼、
「全体としての違和感が心配されたが、
寺域の南側で、本坊にさえぎられて
本堂前の伽藍中心部からは
ほとんど見えないので、
この形式に踏み切った。」と…・・

砲弾状の高塔を三本は
まさしくインド風。
実は若宮八幡宮から
至真門から境内に入ったので、
一番初めに見たのが"薬師殿"。
川崎大師って新興宗教??
って思ってしまったのです。

作曲家 古賀政男先生像

🎵 川崎大師讃歌
歌ったのは美空ひばり、
ちなにに川崎大師駅の
発車メロディーはコレらしい、
気づかなかった(汗)

御本尊 厄除弘法大師に篤い信仰を
寄せていたという
第五十五代横綱 北の湖敏満之像、
川崎大師平間寺檀家でも
あったという。

力くらべに使われた"力石"、
奥の2つは「さし石」は、
頭上にさし上げるもの。
手前の3つ「おったて石」は、
起こして真っ直ぐにたてるもの。
一番重いのは百貫の雲龍石、
できたものは一人前とみなされた、
ちなみに百貫は375キログラム。

縁起によれば、
平間兼乗を名のる漁師が、
弘法大師像を得て一宇を建立安置、
寺号を平間寺としたのを始めとする
と伝えられるもの。

『新編武蔵風土記稿』には、
下平間村に称名寺という寺院あり、
真言宗から浄土真宗に改宗、
本尊が不用となったのを、
多摩川河口の漁師が拾いあげ、
堂宇に安置して
旧地の村名をとり平間寺とした、
との異伝が記されています。

戦国期に作成の『小田原衆所領役帳』に
「大師河原」の地名がみられますが、
近世以前の寺史はほとんど不詳…
不思議なことです。


境内に残る 弘法大師道標、
寛文3(1663)年銘があり、
"こうぼう大し江のみち"、
川崎大師の庶民信仰の
モニュメントです。

東海道五十三次之内 川崎・六郷渡

信仰と行楽を兼ねた参詣は、
江戸時代から大いに盛んに。
江戸からの参詣者のために、
この石造りの道標は川崎宿下手の
いまの多摩川にあたる六郷川寄りに
建てられていたそうです。

金剛山 金乗院 平間寺
御本尊:厄除弘法大師
宗派: 真言宗 智山派
最寄駅:京浜急行電鉄大師線
川崎大師駅