1970EXPOユニコレ㉓ 万博とエスニック・ルック


トルテカ文明の遺跡 
テオティワカンの巨大な砦をモデルに、
古代建築を近代的に表現のメキシコ館
民族衣装の ソンブレロをかぶる男性、
高くつばが広いのが特徴で、
こちらはフェルト製のものか?、
北米のカウボーイに愛されたもの。
チャロという黒い上着と
ズボンに銀の装飾が付いています。

中央部に高さ19メートル50センチの
直立した一対の塔があって、
それをめぐって太陽の広場、
メキシコの広場、友情の広場、
日本の広場と名付けられた
四つの広場が配置されていました。

こちら 聖ジョセフの祭壇

太陽の神々の石像など
国宝級の遺物が展示されていたとか。

アラブ連合館のホステスユニは、
クレオパトラが着ていた
時代の衣装を現代風にアレンジ。

アラブ連合の象徴である
ピラミッドを模したパビリオン、
一辺18メートルあったそうです。

アラブ連合が古代文明の発祥の地
であることを印象づけるとともに、
文化や産業の発展と取り組む
アラブ連合の姿を幅広く紹介。

ホステスユニのモデルはこれかも?

タイの女性用の正装は "シワーライ"、
綿か絹素材の布を腰に巻いたり、
肩からかけて使いますが、
タイ館 のホステスユニは民族衣装を
少しアレンジしたもの(右)。

海外のパビリオンは国民色を
独特な民族衣装でアピール、
60年代の後半から70年にかけて
ファッション界では
民族衣装が流行となっていた影響も。
エスニック・ルックと呼ばれ、
70年代後半には多くのデザイナーが
民族衣装を取り入れた
ファッションを発表していました。

金色に輝く塔と急勾配の
3層の屋根をもつ
タイの伝統的な寺院建築様式を
取り入れたパビリオン。

こちら最近手に入れた虎次郎コレ
パビリオンコイン。中央に主展示棟が、
左右に副展示棟が対称的に配置、
副展示棟はともに18.6メートル。

先塔の飾りはチーク材に彫刻され、
金、銀の箔で裏打ちした
ガラスのモザイクが
張りつけられていました。

「タイ」とは自由を意味する言葉だとか、
タイ人は束縛とか拘束を嫌うとか、
自分のことは自分で決めたい。
ただとても利己的な個人主義ではなく、
協調性も大切にされますし、
謙虚でもあります。
他人を尊重して束縛しないし、
自分自身もされたくない…
タイ的自由の一側面かも知れませんね。

シンガポール館は "ケバヤ"を纏う、
長いタイトスカートを意味する
"サロン"と合わせて "サロンケバヤ"とも、
"ケバヤ"は Vネックの襟の上着のこと。


ただ伝統的なケバヤの襟をなくして、
胸元を開けているようですね。
ちなみにシンガポール航空のCA
制服も、"サロンケバヤ"です。

インド館は長い布をぐるぐる巻いて
ドレスにした "サリー"。
5m前後の1枚の布を
くるくると身体に巻いて、
余った布を肩にかけています。

丈の短い半袖シャツ "チョリ"を下に、
サリーの柄や色に合わせた、
鮮やかな色のものが好まれるとか。
緑のサリーに黄色のチョリ…

長円錐形の先を切り落としたような
パビリオンの外観。
インド館テーマはEXPO70に続けて、
"人類の進歩と調和へのインドの貢献"。

古代文明の発祥地インドの貴重な
文化遺産を背景に民主主義を育て、
生活水準の向上を図るとともに、
ダム建設による工業化の促進など、
近代化に努めるる古くて新しい姿が
展示されていたそうです。

インドネシア共和国館
伝説上の鳥 "ガルダ"の意匠の国章、
ガルダがとまる枝状のところに、
インドネシア文字で
Bbinneka Tunggal Ika と綴る、
"多様性の中の統一"という意味。

ケバヤもインドネシアの
女性の伝統的な衣装で、
15世紀頃から貴族と王室だけに
着用が許されていた衣装
でした。
その後普段着として広まって、
女性の国民服として選ばれました。
斜めの外壁を持つ6つの建物が
中央のステージを取り囲む、
スペース・ストラクチャー屋根
覆うというフォルムも、
館のテーマ「多様性の中の統一」を
表現したのだそうです。
ネパール館
ラオス館
象牙海岸館
コートジボワール共和国のこと…

EXPO70パビリオン
民族衣装ユニをみると、
欧米諸国や日本の企業パビリオンと
比べて今との見劣り?が、
あまり感じられないように思います。
タンザニア館

時代が進歩するほど
古典的なもののよさや、
伝統への復活が見直されるように
なったのが理由なのでしょうか。

このブログの人気の投稿

1970EXPOユニコレ㉒ フジパンロボット館 ロボットとアンドロイド

沖縄を感じた PLAZA HOUSE のこと

異界との出入り口《春日権現験記絵》

1970EXPOユニコレ㉑ 古河パビリオンと東大寺

1970EXPO70ユニコレ㉔ 選ばれし女性たち