1970EXPOユニコレ㉓ イタリア館のユニとメルクリウス?


イタリア館のユニフォームは、
グラフィカルで抽象的な
デザインと美しい色彩のプリントで
注目されたイタリアを代表する
ファッションデザイナーである
エミリオ・プッチのデザインを依頼。
ユニフォームをいかに
重要視していたのかが、
よくわかると言われています。
帽子からタイツまですべてを
緑色、黄色、赤色、ピンクなどの
12色もの色を複雑に混ぜた
ポップでサイケデリック
なもの。

アフリカやバリ、ハワイなどの
民族衣装を思わせるにあふれる
エキゾチックな色彩、
現代アートから
インスピレーションした
過激なほどのカラフルな模様。
エミリオ・プッチは、
当時のファッション界の
革命児として"プリントの王子"、
多くの女性を虜にしていました。

イタリアのパビリオン、
"大阪の斜塔”といわれたとか。
フィレンツェの
バルジェッロ美術館から、
メディチ・リッカルディ宮殿
噴水用に制作された
《メルクリウス》が特別出品…

ジャンボローニャの作品で、
二匹の蛇が絡んだカドケウスの杖と、
翼のついたヘルメットと
ブーツを身に着けています。

万博から2年後の1972年、
大阪市中央区天満橋にある
大阪マーチャンダイズ・マートビル
3周年を記念してビル南側に
複製像が設置され健在です。

メルクリウス(Mercuriu)は、
神々の使者の役割を担い、
科学や商業の神として崇拝。
翼のある帽子、翼のあるサンダルに、
"カドゥケウス"と呼ばれる
2匹の蛇が巻きつきのある杖。

1906年の『大阪経済雑誌』。

1925年の「大大阪記念博覧会」、
松明を左手に"カドゥケウス"型の
杖を右手に掲げる姿で登場。
科学と商業の神は大阪で、
その後大いに受け入れられる
ことなっていく
のです。

1918年竣工の大阪市中央公会堂
"ミネルヴァ"とともに、
商業神"メルキュール"が
"カドゥケウス"の杖を持つ姿
正面の屋根から大阪を見守っています。
これは旧大阪市庁舎の""、
"まぐさ"と読むそうですが、
西洋建築ではリンテルといい、
部屋の出入口を飾るもので、
カーラと呼ばれる中央に
メルクリウスの翼、
二匹の蛇が絡みつく杖が
デザインされています。
現在は、
大阪市立住まいのミュージアム
所蔵となっています。

マーキュリーの羽翼が配される
旧制大阪商科大学の校章。
当時の家政学部3回生のデザイン、
1962年に制定されました。
その後 大阪市立大学でも
学章と使われました。

ただ…メルクリウス像は、
大阪に限ったことはないようです…
こちら日本橋三越に立つ像。
一橋大学の前身の
東京高等商業学校をはじめ、
旧制の商業学校の校章にも
多く用いられたようです。
2009年のブログでは、
大阪市大の校章のことを知らずに、
商業の町に一橋の神??"なんて
ブログを綴っていました(汗)
OMMビルの銘板には、
「商都大阪の飛躍発展と
 その国際性と文化性の高揚を念じ
 関係各位の協力を得て」。

足元は 西風の神ゼピュロス
フィレンチェの《ヴィーナスの誕生
にも顔を見せています。
温和なゼピュロスですが、
春の訪れを告げる豊穣の風で、
メルクリウスを噴き上げています。

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