春鹿の今西さんちに御訪問
"ならまち"奈良市福智院町にある
重要文化財の今西家書院。
なかなか開館のタイミングが
合わなかったりしてたのですが、
はじめて内部を見せていただきました。
今西清兵衛商店さんには、
いつも利き酒でお世話になってる。
コロナ禍でしばらく休止されていたけど、
11月8日から再開されていました。
今西家書院は永らく興福寺塔頭のひとつ
大乗院の坊官を務めていた福智院氏の
居宅であったそうです。
今西清兵衛商店の酒造業としての歴史は、
1884年(明治17)に今西清一氏が、
清酒、みりん、あられ酒の製造をしたのが、
始まりとされます。
1894年には宮内省御用達となります。
今西家が譲り受けたのが1924年のこと、
栄華のあらわれともいえます。
入母屋造軒唐破風に切妻檜皮葺、
大乗院家の御殿を賜り、
移築されたとする説…
それだけの風格を持っていました。
書院である上段の間は、
江戸時代に板敷の一間を、
床の間を造って畳敷きの二間に、
鴨居と敷居が外されると、
今でも元の板間に戻すことができるそうです。
土間も広く…
お伴の者の控えの間もあり、
下段の間は書院の間に比べ、
天井・畳とも段々と低く狭く。
現代では段差がありバリアフリーでない、
ということになるのでしょうが。
一昔の日本人はそのような上下を
上の者は下の者を養って、
下の者も支えるという関係は、
生きていくための手立てとしていたのです。
茶室として使われていた間で、
春鹿プレートをいただきました。
春鹿バウムなどが鹿のお皿に…
こちらは甘酒。
抹茶セットの和菓子は、
法隆寺金堂瓦デザインのお皿に。
茶室の横の水屋。
茶室は躙口はなく
庭から出入りする設えです。
庭の紅葉も絶景でありました。
いろいろなところに
寧楽を感じさせます。
ふたたびほっこりと…愉しみに。