猿田彦のミチを開くvol.30 品川富士の麓に猿田彦


江戸品川に富士
容易に登ることのできない
富士山を模して造られた人工の山、
それが富士塚なのです。

富士塚はいまなお都内だけで
50数カ所も残されていて、
その中でも代表的とされる
"江戸八富士"のひとつが"品川富士"。

品川宿の近く東京十社のひとつ、
寄木神社の本務社である
荏原神社を南の天王社、
ここ北品川にある品川神社
北の天王社と称しているそうです。
鳥居奥の階段…
映画『シン・ゴジラ』で、
神社に避難する姿が登場したとか。

東海七福神の1社なので"大黒天"。

新東京百景

東京もいろんな"めぐり"が
楽しめてちょっとだけ(笑)
羨ましく思いました…

一之鳥居は石造りの双龍鳥居
1925年に建立されたものが
現存していて左が昇龍

右が降龍

双龍鳥居を潜り石段の途中、
左手に富士塚への登拝道
登拝道入口には鳥居。

一合目と二合目も3段先に(笑)

鳥居を潜ってすぐに導きの神
猿田彦大神を祀る小祠。
"足神様 猿田彦神社" と…
刻まれています。
猿田彦命は、
天孫降臨で道案内をされた
地祗神(クニツカミ)とされており、
旅の安全を祈願される存在だったとか。

健脚を祈願に"わらじ"が
奉納されていました。
昔の人は、歩いて旅をしたので、
"足の神様"としても祀られるように
なったのでしょうね。

二合目には役行者たち…



三合目から四合目へ…

五合目でちょっと一息…

眼下に京浜急行本線 新馬場駅

胸突き八丁…

八合目…
品川富士にも山開きがあって、
毎年7月1日に近い日曜日、
講員一同が白装束で拝みを行い、
はだしで富士塚に登るのだという。


雨がふるとこの九合目は、
かなり苦労がいる…

富士塚山開きでは山頂で遥拝

戦前は品川宿の先に天王洲
江戸湾が間近だったのでしょう。

裏富士はさらに急峻であります。

富士山の溶岩を持ち運んで築き、
富士山の遥拝所ならびに
代理登拝の場所としていたそうです。

1869年(明治2)に築造、
1922年(大正11)に現在地に
移築されたものです。

途中には富士講による碑がいくつか…

裏富士?には富士浅間神社

ぶじかえる

狛犬の台座に富士の姿…
富士山が誕生したのが、
庚申の年だったでした。
孝安天皇92年 庚申の年。

それまで雲霧に包まれていた
富士山が忽然と姿を現したとか。
「猿」が神使はとされ、
また「山岳そのものをご神体とする
神の使いにふさわしい
」から、
山王の猿として猿が神使とされ…
たとの説もあるようです。

浅間神社の主祭神は木花咲耶姫命ですが、
猿田彦命も同じく祭神なのです。
こちら荒々しいのは裏富士のようです。

浅間神社の祭日は申の日で、
特に初申祭は例大祭として盛大に。
神使の猿像は、富士塚や富士山の
登り口付近に置かれたもの、
山頂の社祠の前に置かれたものとがあり、
前者は合掌して富士山を拝む姿、
後者は御幣や鈴を持ち、

社祠を参拝する姿をしているのです。

猿田彦のミチを開く
東京には巣鴨の庚申塚やなどなど、
猿田彦のミチは続くのです!
🐼子パンダたちに会いにふたたび
訪れることを楽しみに。

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