1970EXPOユニコレ④ 笑いの世界 ガスパビリオン


笑うことと火を使うことは、
人間だけに与えられた
特権だと言われています。

火=ガスを通じて
生活文化の向上に奉仕している
私たちガス事業者は、日本万国博に、
「笑い」をテーマとして
出展することにしました。

日本万国博のテーマ
「人類の進歩と調和」にのっとり、
科学文明の進歩につれて
ともすれば忘れられがちな人間性が、
「笑い」によって
取りもどされることを願っています


「笑いの世界」=
ここではあらゆる人々に
共通の明るく楽しい世界が広がります。」
パビリオンパンフレットの言葉です。

合服はシルバー・グレーのミニ。
長袖。赤色のラインが大胆に走り、
胸の部分でカーブを描き交差する。
ガスパビリオンが口を開けて
笑っているイメージを表現したもの


ユニフォームにシルバー・グレーの
キャスケットの帽子と靴とバッグがセット。
TPOに合わせてシルバー・グレーの
マントを着用しました。

夏服はシルバー・グレーが白色に、
赤色のラインは青色になり、
帽子のデザインが変わる。
涼しさを演出、
清潔な感じのうちに華やかさあり。
素材はコーティングクロスが使用
ガスパビリオンのユニフォームは
未来的なテイストに溢れていました。

"タイムスリップグリコ"より

デザインしたのは高島屋のデザイナー
この時代は百貨店がファッションの
流行を牽引していて、
世界のファッションを日本に紹介する
役目を百貨店が担っていました。

こちら"データ・スワローズ"と
呼ばれるホステスのキャップ。
大丸百貨店の帽子箱とともに
残されています。

EXPO70で登場した"迷子ワッペン"
親と子供のワッペンの数字を
コンピューターで照合し、
テレビ電話で互いを確認する
システムになっていました。
子どもが保護された案内所で、
テレビ電話の端末を操作したのが、
彼女たちでした。



万国博では多くの百貨店が
ユニフォームのデザインや
製作を手がけていていたのです。

ガスパビリオン、
観客は入口で20分ごと、
380人ずつ入館だったとか。
3階の映像ホールで観客は
半分に分かれ、向かい合って座る。
スクリーンは正面と左右、
して床面利用の大スクリーン4面、
音楽を軸とした笑いを
さまざまな角度からとらえた
映画「笑いのシンフォニー」へ。
スクリーンを挟んだ向かい側の人の
笑っている姿を見せることも、
"笑い"のコンセプトに合うものでした。

映画は五楽章からなるオムニバス。
第1楽章はオーケストラ演奏から木曾節
第2楽章はギャグの連続。
第3楽章はパラオ島の静かな情景。
第4楽章は阿波踊り
第5楽章は再びオーケストラの演奏。
クレイジーキャッツの演奏会を中心に、
観客は笑いの渦に巻き込まれたそうです。

ホールを出ると1階に
くだり展示ホールへと導かれ、
スペインの巨匠・ジョアン・ミロ
陶製大壁画「無垢の笑い」
現在は中之島美術館
常設展示されています。

ガスパビリオンのホステスたちは、
フェア・レディーと呼ばれました。
彼女たちにとって一番大事なこと…
最初に館内を訪れた人から
最後の人まで
同じ態度で接すること。
笑い」がテーマなだけに、
ホステスたちはつねに
微笑みを絶やしませんでした

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