1970EXPOユニコレ⑩ サントリー館"命の水"


サントリー館の外観は、
竹を斜めに切った形が
モチーフとしている。
竹の名所として有名
千里丘陵でしたが、
万国博のために消え去った。

打ちっぱなしのコンクリート
地下1階、地上5階、
力強く生えた"巨大な竹"。

吹き抜けのホールには、
巨大な"御酒口"が聳え立つ、
御酒口は"みきのくち"と読み、
祝事に神酒の飾りとして
使われたもので、
ステンレスで作らていました。
木彫界の異才の 植木茂さんが制作、
今史郎さんのオーディオと
石井幹子さんのライティング、
水の調和による新しい環境芸術
展開されたのです。

地階のセラーである酒倉には、
ウイスキー原酒の樽が積み上げられ、
細い水路の中をきれいな水が流れる
"曲水"がカタチづかれました。
平安時代に水の流れに杯を
浮かべて酒を酌み交わしながら
歌を詠んだ優雅な水遊び、
水のもつ美しさが表現でした。

水の流れからインスピレーション
を受けたというユニデザイン、
水色のミニスカートに
白色のラインが格子模様で
縫い付けられていて、
立体的なデザインが施された。
白色のラインには金色の
丸い大きなビスが飾り付けられ、
テイストはゴージャスなもの。

ただ…サントリー館の
ユニフォームの選定には、
かなり頭を悩ませたそうです。
著名デザイナーから提案された
試作品45点に対して、
佐治敬三 社長からの回答は
いずれも「NO GOOD」。

1970年1月になって
佐治はようやく一つの
ユニフオームを選んだ。

デザインを手掛けた
アメリー・ディジョルジュは、
フランス生まれ。
パリの洋裁学校で基礎を積み、
クリスチャン・ディオール・
アトリエに入社。
1963年 三越百貨店
契約したギ・ラロッシュの
オートクチュールの
裁断・縫製技術を直接指導
監督するために初来日した人。

夏服は半袖で水色のパンプス、
特徴的なデザインの帽子は、
水色にツバが白色、
フランスの警官がかぶる
"ケピ"をアレンジしたとも。
ブルーは水を、白は生命を象徴、
水と生命の調和」を表現。
"エギーテ" =末広がり で、
未来の発展をあらわした。

1968年に再来日していた、
東京に住むアメリーが
お正月を京都に…
四条大橋の上から観た鴨川
インスピレーションを得た
という逸話が残されています。

ホステスたち30人は、
サントリー万博ガールズ、
"SPG"と呼ばれました。
彼女たちはマナーの
研修を積み重ねて、
山崎や桂の工場で商品学を
学んだそうです。



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