和順な華頂山へ 知恩院と狐さま


徳川三代将軍家光の治世、
御影堂建立を行っていた頃のこと。
満誉霊厳和尚が説教をしていると、
雨の日にもかかわらず
一人の禿頭の童子が説教に
聞き入っていた
そうです。
頭の髪を濡らしながら…
説教が終わるとその童子曰く、
私は実は狐で、
 この御影堂が建った場所に
 住処を持っておりました。

 ところがお堂が建ったために
 居れなくなり、恨んでおりました。
 仕返しをしようと思い
 童子に化けましたが、
 お説教を聞いているうちに
 自らの非を悟りました」と…

方丈庭園から登っていくと…

懸け造りの客殿横…

霊元天皇の皇女 吉子内親王
宮殿を御下付 移築された
山亭庭園があります。

江戸末の様式を残す山亭庭園
北西角に阿弥陀三尊を意する
三尊石が配されています。
遠景を意識させつつ、
手前の庭をも無限の空間へと
拡大する優雅閑寂さ…

石燈籠の先の木戸をくぐると、
墓域があります。吉子内親王
そして千姫の墓碑があります。
ずぶぬれの童子の話に…
和尚は童子に傘を渡してます
「霊力のある狐ならば
 この寺を守って欲しい。
 その証にその神通力を
 見せてくれないか。
 そうすればおまえのために
 祠を建てよう」と…

御影堂の軒下…
昨日童子に貸し与えた傘が
置かれていた…"忘れ傘"。
忘れ傘を置いたのは左甚五郎?
完全な形で完成させない
"満つれば欠くる世の習い"とも。
法然上人入寂時、
不思議が起こった場所"影向石"。
入寂時に賀茂大明神が
降臨されたと言われ、
水がわき出たという
"紫雲水"とか…
勢至堂の前にある仏頭…
解説ないのですが、
元は新潟県の"与板大仏"。
1924年(大正12)の近代のもの、
浄土真宗 光西寺にありましたが、
次第に衰え…火災、豪雪など。
紆余曲折があり"知恩院"へ
やって来たそうです。
浄土開宗800年になって、
木津川市にあった高麗寺
再建計画に際して献納される予定。
だが…高麗寺の発掘調査の遅れや
バブル崩壊などが重なって
再建計画は頓挫したとか。
御本廟の周りには時代絵巻のように、
いろんなものが混然一体となって
信仰の場となっているのです。
"濡髪" もとは火災除けですが、
時移りて"千姫"とも相まって、
"縁結び" の御利益をあつめるます。
今年は知恩院も"京の冬の旅"、
非公開文化財特別公開
予定されているとか。
あらためて訪れる予定です。

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