欧州からみた大津絵④ キャラ立つ大津絵
町田市立博物館
所蔵の《外法と大黒》。
『曽我物語』に因む
「奴の相撲」を七福神に
置き換えたもの…
「奴の相撲」を七福神に
置き換えたもの…
富岡鉄斎が描くと
《外法と大黒の相撲図》。
《外法と大黒の相撲図》。
鉄斎のそれには、
道歌が添えられています。
「寿老もいらぬ
遊びニなげられて
七福中間(仲間)の
ものわらひ也」
道歌が添えられています。
「寿老もいらぬ
遊びニなげられて
七福中間(仲間)の
ものわらひ也」
《曽我物語図絵》1枚目
歌川広重 1844-47年
ちなみに…「河津掛け」
『曽我物語』の
河津三郎が相模の
剛者である俣野五郎と
角力で争った。
そのときの極手(きまりて)。
ちなみに…「河津掛け」
『曽我物語』の
河津三郎が相模の
剛者である俣野五郎と
角力で争った。
そのときの極手(きまりて)。
《六種大津絵》
冨田渓山 1914年
白澤庵 蔵
コミカルな表現は
現代漫画に通ずる逸品。
冨田渓山(1879~1936)は
福岡出身…
仙厓の禅画に傾倒とか、
筆がそれを物語っています。
《大津絵見立
忠臣蔵七段目図》
紀楳亭 1800年ごろ
大津市歴史博物館蔵
『仮名手本忠臣蔵』
七段目の場面の見立て。
大黒を大星に、
外法を おから、
敵方に密通する
斧九太夫を、
鬼に配しています。
落款は類例のない
「大津九老」。
紀楳亭は師である
与謝蕪村に倣いつつも、
彼自身の温和で屈託のない
表現を展開した人。
浮世絵だとこうなります。
「七段目 祇園一力茶屋の段」
《槍持奴》根津美術館蔵
《大津絵貼合屏風》より
大名行列の先頭に、
毛槍を勢いよく振り、
先頭を切る奴は
人気者だったそうです。
こちら《雷と奴》
普段は大名の威を借りて
虚勢を張っている奴の、
みじめな姿への嘲笑。
《荷物奴》
浜松市美術館 蔵
大名の衣装や調度品を
入れた挟箱を担ぐ、
荷物奴には帯刀が
許されていたとか…
大津絵の特徴は「風刺」、
ヨーロッパも風刺画が
盛んですし、
民藝運動を牽引した
柳宗悦は大津絵を
蒐集しました。
彼がこんな解説を
してくれています。
「大津絵は決して原始的な
絵画ではありません。
そこには
民衆の機智があるのです。
恐らくかかる諧謔を含めた
寓意の絵が当時の平民に
許された社会批評の
《程芳流行大津絵 奴伊平》
歌川国芳 1843-1846年
柳宗悦が生きた時代は、
大正デモクラシー。
おそらく…江戸時代には
自由がなかったと
見たのでしょうね。
「槍持奴」についても、
宗悦は権力者の威を借りて、
威張る者に対する風刺だと…
《大津ゑの図》
一雲斎安信 1843年
フランス・パリ個人蔵
鬼念仏と藤娘の妙味カップル
「美女と野獣」というよりも、
美女とポケットモンスター(笑)
紀楳亭 1800年ごろ
大津市歴史博物館蔵
『仮名手本忠臣蔵』
七段目の場面の見立て。
大黒を大星に、
外法を おから、
敵方に密通する
斧九太夫を、
鬼に配しています。
落款は類例のない
「大津九老」。
紀楳亭は師である
与謝蕪村に倣いつつも、
彼自身の温和で屈託のない
表現を展開した人。
浮世絵だとこうなります。
「七段目 祇園一力茶屋の段」
《槍持奴》根津美術館蔵
《大津絵貼合屏風》より
大名行列の先頭に、
毛槍を勢いよく振り、
先頭を切る奴は
人気者だったそうです。
こちら《雷と奴》
普段は大名の威を借りて
虚勢を張っている奴の、
みじめな姿への嘲笑。
《荷物奴》
浜松市美術館 蔵
大名の衣装や調度品を
入れた挟箱を担ぐ、
荷物奴には帯刀が
許されていたとか…
大津絵の特徴は「風刺」、
ヨーロッパも風刺画が
盛んですし、
フランス人は大好きです。
ジュルジュ・ビゴー 1887年
ただ違いを探すとすれば、
ヨーロッパは政治に関する
風刺が多いですね。
日本は人間に対する風刺、
教訓なのでしょう。
ヨーロッパは政治に関する
風刺が多いですね。
日本は人間に対する風刺、
教訓なのでしょう。
民藝運動を牽引した
柳宗悦は大津絵を
蒐集しました。
彼がこんな解説を
してくれています。
「大津絵は決して原始的な
絵画ではありません。
そこには
民衆の機智があるのです。
恐らくかかる諧謔を含めた
寓意の絵が当時の平民に
許された社会批評の
唯一の方便であったでせう」
《程芳流行大津絵 奴伊平》
歌川国芳 1843-1846年
柳宗悦が生きた時代は、
大正デモクラシー。
おそらく…江戸時代には
自由がなかったと
見たのでしょうね。
「槍持奴」についても、
宗悦は権力者の威を借りて、
威張る者に対する風刺だと…
《大津ゑの図》
一雲斎安信 1843年
フランス・パリ個人蔵
鬼念仏と藤娘の妙味カップル
「美女と野獣」というよりも、
美女とポケットモンスター(笑)