欧州からみた大津絵② 嗣がれる画題


大津絵の画題には、
かつては百二十種くらい
あったようです。
19世紀以降、次第に
十種に絞られていきます。

瓢箪鯰》根津美術館蔵
 《大津絵貼合屏風》より

京都の相国寺の画僧、
如拙が描いたのが
瓢鮎図》に元に…

足利義持の命により
如拙は心血注いで描いた。

大津絵では、
人間の思慮の足らない行動を
猿知恵に喩えた。
「ひやうたんに似たる
 思案のさる智慧て
 いつ本心のなまずおさへむ」

釣鐘弁慶
 古美術 天宝堂蔵

藤娘は「縁結び」、
釣鐘弁慶は「火難盗難除け」、
瓢箪鯰は「水難除け」

矢の根五郎
 フランス・バリ個人蔵

これは「悪魔除け」、
もしくは「目的完遂」。

外法の梯子剃り
根津美術館蔵
《大津絵貼合屏風》より

「無病長寿」を願う。
褌姿に頭巾を被った
大黒が梯子に昇り、
外法が頭を
剃ってもらいながら
走っている。

座頭》個人蔵 パリ

槍持奴は「道中安全」、
鷹匠は「五穀豊穣」、
座頭は「転倒防止」

雷公
 笠間日動美術館蔵

雷と太鼓は「雷除け」。

九種大津絵図
 若狭物外 1952年
 白澤庵 蔵

ほぼオールスターが
勢揃いというところか。

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