京の冬の旅2022 仁和寺伽藍その4 観音堂


金堂中軸線を挟んで禅宗様の"観音堂"、
経蔵・鐘楼とは裏返しの対照。

もとは仁和寺創建の40年後、
928年(延長6)の建立とされ、
こちらも寛永年間復興のもの。

正面をすべて板塀とするのは、
三十三間堂など平安期の様式
取り入れたものとされています。
純和様なほかの堂舎に対して、
妻飾りの虹梁大瓶束三ツ花懸魚
寛永期再建の多くは純和様ですが、
和様を主にしながら各所に
禅宗様が加味されるという、
新旧様式の混在も見どころです。
で内陣は?

平成大修理完遂し2019年に特別公開、
正面に須弥壇には本尊"千手観音菩薩立像"、
両脇には不動明王立像降三世明王立像
そして"二十八部衆立像"が祀られています。

《風神立像》

昔の農耕社会において
恵みの雨を降らすのは風とされ、
《雷神立像》

天が喜んでいることを知らせる
雷が鳴ることで、稲が豊作になり
一年間食べ物に困らないという考えで
"雷神"も崇められてきたのです。
三十三間堂の風神雷神との、
比較でみるとなかなか悦とか…
堂内をぐるりと極彩色の障壁画…
370年以上も開帳されなかった
幻の"観音障壁画"です。
木村徳応※という京都を中心に
活躍した絵仏師らが手がけたもので、
観音経の世界が表現されています。
生前の行いによって地獄道・餓鬼道・
畜生道・修羅道・人間道・天上道
のいずれかに導かれるとか…
須弥壇背面に描かれた
人間が死後に向かうとされる"六道"、
こちらは人面をした牛馬などの"畜生道"。

ちなみに…敷地内にある
"御室会館"に泊まると特別に、
非公開の"金堂"で
朝のお勤めを体験できるとか…
機会があれば静かに祈りを
捧げようかと思います。

※木村徳応とは?
文禄2年(1593)生。歿年未詳。京都の人。
隠元禅師像や高野聖方松雲院の観言像、
宇治平等院釣殿 観音厨子扉などの仏画を描く。
天和元年(1681)までの作例が確認されている。

※このブログは 京ノ旅手帖
 を参考にしました。

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