吉祥天女と菅原家のこと


吉祥院天満宮の起こりは、
菅原氏守護の本尊として
創建された吉祥天女堂

社伝によると建立は808年のこと、
いまなお祀られる吉祥天女像は、
道真の祖父である菅原清公の作とか。
応仁の乱の戦火をまぬがれるため、
焼失をおそれて土中に埋め、
新たに仮の天女像を刻んだとも。
その後の鎮静とともに本尊を
掘り出したとされています。

吉祥天女とは、ヒンドゥ教の女神
母は鬼子母神、毘沙門天の妻とか…

鳥居前にある
「北政所吉祥天女御住所蹟」
菅原道真の正室も
"北政所" と呼ばれたそうで、
島田忠臣の娘 宣来子のこと。
島田忠臣は道真の詩文の師
その娘で学才に秀でた女性とか。

境内には文章院と名の
冠した建物があります。
「文章院聖堂御蹟」
碑に刻まれています。
「菅家廊下」という私塾があり、
一族から多くの学者、
官吏を送り出したとか…

本尊の吉祥天女をはじめ、
道真の祖父・清公、父の是善
最澄孔子の諸像を祀られています。
祖父の清公は遣唐使から帰国後、
文章道を志す学生のために設けた
孔子を祀っていたことから
孔子堂、聖堂と呼ばれました。

天神さまご幼少とともに、
吉祥天女さまのストラップも
授与されます。
吉祥天女は古代中国の
貴人風のお姿で伝わりますね。
日本に初めて知られたのは
奈良時代のことで、
吉祥天女が登場する
『金光明最勝王経』を読めば、
栄えて金持ちになると…

吉祥天を祀る御祭事に
「吉祥悔過会」というのがあるとか、
吉祥院天満宮では清公の命日
十月十七日に毎年修せられています。

吉祥院天満宮にもうひとつ立つお堂、
弁財天が祀られています。
吉祥天女と弁財天はよく似た存在
弁財天の方は龍神の化身と言われ、
宇賀神と同一視されて…
弁財天の化身が蛇か龍
という位置づけは、
日本独自のものなのです。

堂内には蛇の石像
残されていました。

対峙する像は口を開いていて、
阿吽の狛犬ならぬ狛蛇やも。

鬼瓦には波文…

反対側には 鯰 の鬼瓦。
琵琶湖ではまれに黄白色のナマズ
捕れることがあり、
古くから地元の漁師は
「弁天ナマズ」と呼んで、
琵琶湖に浮かぶ
竹生島に祀られている
弁財天のお使い
とされ、
捕れるとすぐに
放流してきたと伝わります。

琵琶を持った弁財天の天女姿は、
鎌倉時代以降のことだそうで、
阿修羅と戦って勝った武勇伝あり、
おまけに文武両道型で、
武器を手にする腕が8本…
まさに"スーパーウーマン"だったとか。
そして吉祥天女は、
かつては七福神に列せられていたとか。
新七福神なかでも弁財天様は、
唯一の女性神…
いまでいうジェンダー論では、
問題視されそうですね (苦笑…)
なぜか…
吉祥院天満宮にキティーちゃん😁

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