京祈りの地をあるく 御辰稲荷神社
「禁裏御所の辰の方角に
森があるので、
そこに祀ってほしい」…
東山天皇の後宮の夢枕に
白狐が現れて消えたという。
平安神宮の北側に位置するから、
かつては“聖護院の森”ところ。
「御辰」の名は“辰”の方角、
その神託を受けた地に因む。
絵馬には貴族が和歌を詠む姿…
東山天皇の後宮となったのは、
中御門天皇の母にあたり、
35歳で薨去され没後…
新崇賢門院を追贈された。
芸能上達、達成叶の守護とあるのは、
辰という字が"達"に通じ、
祀られている狐が琴が上手。
花街の芸子さんらにも、
今なお信仰が篤いという。
御辰狐は“風流狐”として宗旦狐と
共に童歌と詠われる。
もう一つの絵馬は、
お辰きつねとおかめさんの
土鈴がついた立体の絵馬。
ご神宝の掛け軸がモチーフとか。
奉納額には
狐三味線のお辰の白狐。
狐面もユニークな表情を
みせていました。
神前にも白狐…
そしてハート型の石を
囲む黒い石…
古来より伝説の真黒秘石とか…
その昔、白川畔に住む貧しい夫婦、
御辰稲荷を信仰していました。
満願の日にふと境内で寝てしまい、
目覚めると手に真っ黒い小石。
家に持ち帰りお祀りしたところ、
女の子を授かったそうです。
娘はその後…大名の側室に、
夫婦は豊かに暮らしたとか…
“福石大明神”という摂社。
亀石大明神には、
亀石がいまなお祀られています。
こちらの秘石を五つ頂いて、
それぞれの願いを届けるのだとか。
こちらが福石大明神にあたります。